研究課題
我々は、先行研究において日本人1個体のゲノムシークエンスを第2世代シークエンサーを用いて解析し、標準ゲノム配列にマッピングされないリード配列のde novoアセンブリを行い、3.4Mbpの非標準ゲノム配列を得た(1)。得られた配列の大部分は短く、解析が困難であった。また、これらの非標準ゲノム配列は個人間で多型的である可能性が高いため、複数個体の配列を合わせて解析することで、全体像をより良く理解することができると考えられる。そこで、複数個体の日本人の全ゲノムシークエンスより、標準ゲノム配列にマッピングされなかったリード配列を集めてde novo アセンブリを行った。数種類のアセンブラを用いて様々なパラメーターセットで検証を行った結果、SOAPdenovo2ソフトウエアを用いてアセンブリ後にrescafoldを行うと、総合的に見て良い結果が得られることが分かった。de novo アセンブリで構築された新規配列に対して、リード配列を再度マッピングすることにより、個人ごとに新規配列の有無、塩基配列の多様性の解析を行い、多型的な新規配列を検出した。これらの多くは新規コピー数多型と考えられる。現在の解析は標準ゲノム配列に依存しているため、標準ゲノム配列に存在しない多型は全く解析されていない。我々の知見は、ヒトゲノムの遺伝的多様性の理解に貢献すると考えられる。現在、新規配列の一部を実験的に構造解析を行うことで、より詳細な多型の解明を行っている。1 Fujimoto et al. (2010) Nature Genetics 42: 931-936
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最新医学
巻: 67 ページ: 132-136
生体の科学
巻: 62 ページ: 523-528