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2011 年度 実施状況報告書

甲状腺発癌過程でSNX蛋白が果たす役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23790399
研究機関神戸大学

研究代表者

原 重雄  神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (10590648)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード癌と病理学
研究概要

甲状腺組織におけるSNX2の分布について、正常甲状腺、甲状腺悪性腫瘍、機能亢進性病変(Basedow病、Plummer病)を対象に免疫組織学的に検討した。正常甲状腺組織ではfocalな分布を示し、高円柱状濾胞上皮(active thyrocyte)に陽性、扁平な形態の濾胞上皮(inactive thyrocyte)には陰性であった。active throcyte, inactive thyrocyteそれぞれ100個ずつを計測し細胞高計測値との相関を検討したところr=0.79であり、SNX2陽性像と濾胞上皮形態に有意な相関がみられた(p<0.05)。甲状腺癌では、乳頭癌(15例)、濾胞癌(9例)、髄様癌(10例)いずれにおいてもSNX2は腫瘍細胞に瀰漫性強陽性を示し、正常甲状腺組織と比較して有意であった(p<0.05)。未分化癌9例では7例で瀰漫性の陽性像であったが、正常甲状腺組織との有意差はなかった。機能亢進性病変でも多くの症例で瀰漫性強陽性を示したが、術前治療が行われているBasedow病の一部では正常甲状腺組織と同様にfocalな分布を示した。 正常濾胞上皮培養細胞(ラットFRTL-5)を用いて、TSH添加前後でのSNX2発現量の変化をウェスタンブロット法を用いて検討したところ、TSH存在下(1mU/ml)ではSNX2発現の増加ならびに細胞の大型化(細胞面積ならびに細胞周囲長ともにp<0.05)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度の計画では免疫組織学的検討を予定しており、これに基づいて正常ではfocalな分布をとりactive follicleに選択的に陽性像を示したこと、悪性腫瘍の多くで瀰漫性強陽性像であったこと、機能亢進性病変の多くでも瀰漫性強陽性であったことを明らかにし、一定の結論が出せた。

今後の研究の推進方策

免疫組織学的検討での結果をもとに、培養細胞を用いた検討を行う。悪性腫瘍細胞株としてはラット甲状腺乳頭癌細胞株(FRTC)を、正常濾胞上皮細胞株としてはラットFRTL-5を使用する。両細胞でのSNX2発現、細胞内局在を比較検討する。甲状腺機能亢進性状態でのSNX2発現については、TSH刺激下で発現が増加することを初年度の実験で確認しており、悪性腫瘍細胞株でのSNX2発現の意義との違いを検討する。

次年度の研究費の使用計画

生化学ならびに細胞培養関連の消耗品試薬に用いる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 小胞輸送関連蛋白sorting nexin 2 (SNX2) は甲状腺active follicleを識別する新たなマーカーである2012

    • 著者名/発表者名
      神澤 真紀、原 重雄、仙波 秀峰、横崎 宏、廣川 満好、伊藤 智雄
    • 学会等名
      第101回日本病理学会総会
    • 発表場所
      東京 京王プラザホテル
    • 年月日
      2012年4月26-28日

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公開日: 2013-07-10  

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