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2012 年度 実績報告書

卵巣明細胞腺癌の生物学的特性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23790405
研究機関九州大学

研究代表者

大石 善丈  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60444824)

キーワード明細胞腺癌 / 酸化ストレス / 遺伝子異常
研究概要

本研究にて卵巣明細胞腺癌の生物学的特性を明らかにするため、酸化ストレスマーカー発現、遺伝子異常の有無について研究した。酸化ストレスのマーカーである8-OHdG、iNOS、COX2の免疫染色を行い、陽性細胞数と染色強度の和 total score (TS)として評価した。COX2、iNOS、8-OHdGは淡明細胞主体の明細胞腺癌の62%、36%、55%で発現を認めTSの平均値は5.2、3.8、5.0、好酸性細胞主体の明細胞腺癌の77%、67%、77%で発現を認めTSの平均値は5.2、5.2、5.7であった。比較対照である類内膜腺癌ではCOX2 75%, iNOS65%, 8-OHdG 0%で、8-OHdGの発現のみに差を認めた。しかし淡明細胞を呈する類内膜腺癌では8-OHdG発現を66%の症例で認め、TSの平均値は4.4であった。以上より、明細胞腺癌は強い酸化ストレスにさらされていることが示唆され、8-OHdG発現は細胞の淡明化と関連していると考えられた。
腫瘍発生に関連すると思われる遺伝子(PIK3CA, ARID1A)の異常の検索行った。明細胞腺癌においてPIK3CA遺伝子変異は認められなかった。ARID1A遺伝子変異は、蛋白発現低下と相関することが知られているため、その免疫染色によって評価した。蛋白発現低下は淡明細胞主体の明細胞腺癌の18%、好酸性細胞主体の明細胞腺癌の22%で認められた。対照である類内膜腺癌において蛋白発現低下は認められなかった。
酸化ストレスマーカー発現、ARID1A発現低下と、臨床病理学的因子との関連は認められなかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Ovarian transitional cell carcinoma represents a poorly differentiated form of high-grade serous or endometrioid adenocarcinoma2013

    • 著者名/発表者名
      Tadahisa Takeuchi
    • 雑誌名

      American journal of surgical pathology

      巻: in press ページ: in press

  • [雑誌論文] "Piling up" clear cells in müllerian-type mucinous and mixed cell-type borderline tumor do not represent concomitant clear cell neoplasms.2012

    • 著者名/発表者名
      Yoshihiro Ohishi
    • 雑誌名

      Human Pathology

      巻: 43 ページ: 1618-1626

    • DOI

      10.1016

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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