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2013 年度 実施状況報告書

腎臓におけるカベオリン1の意義に関する検討

研究課題

研究課題/領域番号 23790423
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

山本 泉  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (60600468)

キーワード尿細管間質線維化 / Caveolin-1
研究概要

本研究における目的は、腎臓におけるCaveolin-1の意義について検証することである。具体的には、Caveolin-1ノックアウトマウス、トランスジェニックマウス、ワイルドタイプマウスを対象として、腎移植と関連の深い実験腎炎モデルを用いて、内皮細胞の変化や尿細管間質の変化を検討することとした。平成24年までにこれらの内皮細胞におけるカベオラの形態およびその構造蛋白であるCaveolin-1発現の変化を検討してきたが、本年度は、主に慢性腎不全に至る共通の現象である、腎臓における間質線維化の検討を行った。①虚血再灌流モデル、②尿細管結紮モデル、③eNOS阻害剤投与モデル、④抗VEGF抗体投与モデルを対象としたが、虚血再灌流モデルおよび抗VEGF投与モデルはそれぞれ24時間および48時間目と早期の検討であったことことから、尿細管間質における浮腫上変化は認めたものの、間質線維化はいずれの群においても生じておらず、検討から除外した。eNOS阻害剤投与モデルで、シリウスレッドによる染色性の評価を行ったところ、Caveolin-1ノックアウトマウスでは、ワイルドタイプに対して約3倍の間質線維化が認められ、統計学的に有意差を認めた。一方、Caveolin-1 トランスジェニックマウスでは、間質線維化はワイルドタイプと統計学的に有意差を認めなかった。この結果は、尿細管結紮モデルと類似した所見であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2013年度に腎不全モデルにおける間質線維化に対するCaveolin-1の意義について検討を行う予定であったが、尿細管結紮モデルと同様の結果であったのは、eNOS阻害剤投与モデルのみであった。eNOS阻害剤投与ではカベオリンノックアウトマウスにおいて線維化増加がワイルドタイプに比べて優位に認められたという結果であったが、このモデルのCaveolin-1の抗線維化作用の解析が遅延している。

今後の研究の推進方策

これまでの研究結果で、尿細管結紮モデルおよびeNOS投与モデルでのみカベオリンノックアウトマウスにおいて線維化増加がワイルドタイプに比べて有意に認められたという結果であった。これらのモデルのCaveolin-1の抗線維化作用の解析を詳細に行うこととしたため、未使用残高が生じた。来年度は、これらのモデルにおける間質線維化のメカニズムについて解析予定である。

次年度の研究費の使用計画

2013年度に腎不全モデルにおける間質線維化に対するCaveolin-1の意義について検討を行うとともに学会発表する予定であったが、尿細管結紮モデルおよびeNOS阻害剤(L-NMMA)モデルでのみカベオリンノックアウトマウスにおいて線維化増加がワイルドタイプに比べて優位に認められたという結果であったため、計画を変更し、このモデルのCaveolin-1の抗線維化作用の解析を詳細に行うこととしたため、未使用残高が生じた。
このため、腎不全モデルの中でもCaveolin-1の抗線維化作用が存在すると考えられる尿細管結紮モデルおよびeNOS阻害剤(L-NMMA)投与モデルの詳細な解析および学会発表を次年度に行うこととし、未使用残高はその経費に充てることとした。

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公開日: 2015-05-28  

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