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2012 年度 実績報告書

重症マラリア病態形成機構に関わる因子の同定と宿主-寄生体相互作用の解析

研究課題

研究課題/領域番号 23790457
研究機関岡山大学

研究代表者

畑生 俊光  岡山大学, 環境生命科学研究科, 准教授 (60344917)

キーワード重症マラリア / 宿主-寄生体相互作用 / スカベンジャー受容体 / 免疫修飾
研究概要

本研究年度は、主としてネズミマラリア感染モデルを用いた①臓器毎のSR遺伝子発現解析、②感染致死群と回復群における単核球/マクロファージ (Mφ) および脾臓での発現遺伝子パターンの比較解析を行った。
【研究の方法】①ではPbANKA感染後3および7日に臓器からRNAを回収し、SRについてRT-PCRおよび定量PCRにて遺伝子発現量の比較ならびに免疫組織化学にて臓器内のSR発現部位を観察した。②について、Py17XL/129svマウス感染系を用、致死群および感染回復群のMφおよび脾臓からRNAを回収した後マイクロアレイにより発現遺伝子の解析を行った。
【結果と考察】①SR遺伝子の定量PCRの結果、CD36遺伝子発現は変動しなかったが、肺・脾臓・肝臓でのMARCOの遺伝子発現増強が顕著であった。免疫組織化学的解析によるMARCOの局在は、脾臓では辺縁帯Mφ、肝臓では肝細胞および血管内皮細胞で観察された。この結果は、臓器毎の利用分子群の組み合わせによる臓器毎の病態形成が重症マラリアを形成するとの我々の仮説を支持するものと考えられた。②Mφ表現型に関する遺伝子では、致死群においてM2a Mφの誘導が推測されたが、回復群では、IL-4R-α, Ym1, IL-10遺伝子発現低下、RELM-α, A2A 受容体, PTX3, TGF-β遺伝子発現上昇が観察され、M2c Mφの誘導とMφ表現型スイッチングの可能性が示唆された。脾臓での発現遺伝子解析の結果、59304遺伝子中5893遺伝子の発現上昇および352遺伝子の発現低下が観察され、B細胞活性化、ADCC増強およびNK細胞活性化に関する遺伝子が含まれていた。以上の結果から、感染回復には、M2c型のMφへのスイッチング、B細胞の活性化とADCC増強による原虫感染赤血球貪食の昂進、NK細胞の関与による排除機構が働いていると推察された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] スカベンジャー受容体のネズミマラリア感染における臓器毎の遺伝子発現変化の解析2013

    • 著者名/発表者名
      宮下大地
    • 学会等名
      第82回日本寄生虫学会大会
    • 発表場所
      東京医科歯科大学、東京
    • 年月日
      20130329-20130331
  • [学会発表] ネズミマラリア原虫感染マウス臓器におけるスカベンジャー受容体の遺伝子発現解析2012

    • 著者名/発表者名
      宮下大地
    • 学会等名
      第72回日本寄生虫学会東日本支部会
    • 発表場所
      群馬大学、前橋
    • 年月日
      20121006-20121006

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公開日: 2014-07-24  

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