研究課題
前年度までに、O157の志賀毒素(Stx1)耐性に関わるゲノム領域をO157のフォスミドゲノムライブラリー解析により3カ所同定している。また、フォスミドライブラリーのインサートサイズは約40 kbであるが、各領域について複数のフォスミドクローンが共通にカバーしている領域を調べたところ、領域1は5遺伝子、領域2は7遺伝子、領域3は4遺伝子にまで絞ることができた。本年度では、まず、各遺伝子を個別にクローニングし、志賀毒素耐性に関わる遺伝子の特定を試みた。Stx1発現系にpTB101 (high copy vector)を使用し、志賀毒素耐性化の候補遺伝子はpBAD33(low copy vector)でクローニングした。Stx1 発現系と各候補遺伝子発現系を同時に導入したK-12形質転換体を作成し、IPTGの添加によるStx1高発現で、生育阻害が生じない株の選択を行ったが、有意に生育阻害が回復した株は得られなかった。インサートを導入していないpTB101ベクターのみでも、IPTG添加でK-12の生育阻害が生じていることが発覚したため、Stx1発現系をpCL1920(low copy vector)へ変更したが、このベクターでもIPTG添加でK-12の生育阻害を阻害し、志賀毒素耐性化の原因遺伝子の特定に至らなかった。今後は、K-12の生育を阻害しないStx1発現系(染色体組み込み型の発現系など)を構築すること、志賀毒素耐性化に複数の遺伝子が関わっている可能性を考慮して同時に複数遺伝子を発現する系を構築すること、非コード領域が耐性化に関わる可能性を検証することなどを行う予定である。
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