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2011 年度 実施状況報告書

新規バイオフィルム破壊因子と宿主との相互作用の解析

研究課題

研究課題/領域番号 23790486
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

田嶌 亜紀子  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70317973)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワードバイオフィルム / 黄色ブドウ球菌
研究概要

黄色ブドウ球菌の培養上清から、バイオフィルム破壊因子を分離するため、一晩培養した菌の上清をアミコンフィルターで分画し、1kDa以下の画分を回収した。クロロフォルム処理で脂溶性物質を除去し、水溶性画分を作成した。透析膜(MWC500)を用いて一晩透析したところ、破壊活性は外液に見られたことから、因子は500Da以下の低分子であると推察された。またこの水溶性画分を用いて、ブドウ球菌以外のバイオフィルムへの作用を調べるため、グラム陰性菌の大腸菌や緑膿菌のバイオフィルムへの破壊作用を検討した。その結果、大腸菌、緑膿菌ともにバイオフィルムを破壊することが明らかになりグラム陰性菌のバイオフィルムに対しても有効であることが示唆された。 様々なカラムを用いて、破壊因子分離の検討を行った。上記の水溶性画分をゲルろ過カラムで分画し、バイオフィルムアッセイにより破壊活性を有する画分を分取した。次に、逆相カラム(C18)で分画したところ、非吸着の画分に活性が見られた。破壊因子は、イオン交換カラム、逆相カラム、親水性相互作用カラムでは吸着が見られなかったことから、逆相カラムの非吸着画分を用いて解析を試みた。MALDI TOF-MS、LC-MSにこの画分を供し、分析を行ったところいくつかのピークが検出された。現在これらがどんな物質であるか同定するとともに、実際に破壊活性作用を有するものであるのかの解析を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

破壊因子は、繁用される複数のカラムにおいて結合が見られず、分離に時間を要してしまっている。しかし、学内の他研究室の協力の下、現在研究を進めており、今後の進展が期待できると考えられる。

今後の研究の推進方策

破壊因子の分離・同定を行った後、破壊作用メカニズムの解明を行う。まず破壊因子の構造と破壊活性との相関性を調べ、作用に重要な反応基を明らかにする。更に、本学に新たに大気圧走査型電子顕微鏡が導入されるため、それらを用いてバイオフィルム破壊作用を形態学的に解析を行うとともに、バイオフィルムマトリックスの特定の成分に対して作用をするのかを生化学的に解析していく。

次年度の研究費の使用計画

購入を予定していた機器が変更となり(採択前に購入できたため)、計上していた予算よりも安くすみ、また計上していた旅費は発生しなかったため平成23年度予算において一部が未使用となった。これらは次年度の破壊作用メカニズムの解明に使用する予定であり、破壊因子の構造解析、類似構造体の作成、解析に伴う試薬の購入および研究発表の旅費として充てる予定である。

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公開日: 2013-07-10  

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