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2011 年度 実施状況報告書

結核菌の再活性化に関与する分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23790490
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

本田 尚子  国立感染症研究所, 放射能管理室, 研究員 (40600911)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード結核 / 抗酸菌 / 休眠 / 再燃 / 細菌
研究概要

結核菌は世界の人口の1/3に感染し、感染者の10%が生涯のいずれかの時期に発症する。日本の年間罹患者は約2万人であり半数は70歳以上の高齢者の再燃による。結核菌は人に感染後、発症の有無に関わりなく一定の割合で増殖を停止し休眠状態へ移行する。数十年にわたり休眠状態で潜在感染した菌は、高齢化等に伴い増殖を再開し発症する。既存の抗生物質の効かない休眠菌を殺菌することは、結核再燃対策および結核の抗生物質による治療の短期化に重要であるが、休眠誘導、休眠の維持、再増殖に到る機構の詳細は不明である。近年休眠時に発現変動する遺伝子は網羅的遺伝子発現解析やプロテオーム解析により明らかにされつつある。しかし休眠誘導や再活性化に重要な役割を担う遺伝子が必ずしも大きな発現変動を伴うとは限らず、発現解析のみでは休眠機構の解明に不十分である。そこで結核菌の休眠・再活性化に関与する分子機構を解明するため、23年度は、休眠を制御する遺伝子の同定を試みた。ワクチン株であるBCGのゲノム断片のライブラリーを作成し、迅速発育性抗酸菌Mycobacterium smegmatisに導入した。BCGの遺伝子を発現するM. smegmatisをWayneの低酸素休眠誘導モデルを用いて培養し、休眠期の抗生物質への感受性の違いを利用して休眠を制御する遺伝子をスクリーニングした。得られたいくつかの休眠制御候補遺伝子と休眠との関連を解析している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

スクリーニング方法を変更したが、いくつかの休眠制御の候補遺伝子をスクリーニングにより得た。今後再現性の確認および休眠における遺伝子の機能解析を行う予定である。

今後の研究の推進方策

研究計画では、M.smegmatisへのトランスポゾン挿入変異により再活性化候補遺伝子をスクリーニングする予定であったが、変異部位同定の時間を短縮するため、BCGゲノムのショットガンライブラリーをM.smegmatisに導入することによりスクリーニングした。またレポーター遺伝子の発現によりスクリーニングする予定であったが、より簡便にするため、休眠菌の抗生物質への感受性の違いを利用し、ストレプトマイシンおよびメトロニダゾールを用いることとした。

次年度の研究費の使用計画

BCGへの遺伝子導入が可能なエレクトロポーレーションシステムの購入に100万円を予定していたが、他部署の装置の使用許可が得られたことから、汎用するM.smegmatisへの遺伝子導入が可能な簡易型の装置の購入に変更したため、次年度繰越金が発生した。23年度のスクリーニングより、24年度以降の遺伝子の機能解析に研究費が必要であることから、次年度の請求額と合わせ使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Identification of the novel mutations in 16S rRNA gene of the substrains of a streptomycin dependent mycobacterium tuberculosis strain 18b which confer streptomycin resistance in mycobacterium2011

    • 著者名/発表者名
      佐藤法仁,阿戸学,松村隆之,山崎利雄,関塚剛史,黒田 誠,本田尚子,中山真彰,土田耕三,小林和夫,大原直也
    • 学会等名
      International Union of Microbiological Societies 2011 Congress
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2011年9月10日

URL: 

公開日: 2013-07-10  

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