結核菌はヒトに感染後、一部が抗結核薬の効きにくい休眠状態となる。これは抗結核薬治療の長期化の原因となるため、休眠期に効果のある薬剤の開発が重要である。ストレプトマイシン(SM)要求性結核菌18b株は16S rRNAに変異をもつ。SM非存在下で増殖を休止し抗結核薬抵抗性を示すため、休眠期結核菌モデルとして利用されつつあるが、BSL3施設を必要とする。そこで結核のワクチンであるBCG株に同一の変異を導入した結果、18b株と同様SM依存的に増殖し、SM非存在下では増殖を停止し、抗結核薬イソニアジドへの感受性が低下した。休眠期結核菌に効果のある抗結核薬の開発に広くBSL2施設で利用可能と考えられる。
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