ヒト免疫不全ウイルスの 4-kb および 9-kb RNA は、ウイルスタンパク質の Rev を介して CRM1経路で核外へ輸送される。ところが、それらの RNA はキャップ構造を持つため、一般的な mRNAと同じ TAP 経路でも輸送される可能性が考えられた。それらの RNA の核外輸送において TAP 経路が利用されるかを、ウイルス RNA を発現する培養細胞で調べた結果、Rev が TAP の RNA 上へのリクルートを阻害することが示唆された。さらに Rev が、TAP と RNA とのアダプターであるAly とキャップに結合する CBC との結合を阻害することを明らかにした。 この活性により、TAP経路の誘導を抑制することが考えられた。
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