(2)-b. miR449a KOマウスを用いたNotchシグナル制御性microRNAの機能解析 昨年度樹立したmiR449a KOヘテロマウスを交配し、miR449a KOマウスを作製した。それらマウスからCD4+Tリンパ球を調整し、miR449aの発現をリアルタイムPCRで確認した。その結果、KOマウスではmiR449aの発現は認められず、ヘテロマウスではその発現量は野生型と比べ半分程度であった。 野生型とKOマウスの胸腺におけるTリンパ球について細胞表面マーカーを指標に解析した。その結果、Tリンパ球の分化において両者に差は認められなかった。脾臓や各種リンパ節についても胸腺と同様にリンパ球の解析をしたが、Tリンパ球、Bリンパ球ともに数や表現型に差異は見られなかった。脾臓やリンパ節に存在する樹状細胞やマクロファージ、好中球など非リンパ球系免疫細胞についてもその表現型を解析したが、大きな差は認められなかった。さらに、腸管上皮細胞ならびに粘膜固有層に存在する細胞を調整し、そこに含まれるリンパ球並びに非リンパ球系免疫細胞を解析した。しかしながら、その種類や存在割合などに大きな差異は認められなかった。 野生型とKOマウスの脾細胞を調整し、抗CD3抗体並びに各種サイトカイン存在下で培養し、Th1やTh2などのエフェクターTリンパ球への分化能を解析した。しかしながら、両者間で エフェクターTリンパ球への分化能に差異は認められなかった。野生型とKOマウスの血清中のIFN-γ、IL-4及びIL-17の存在量にも変化は見られなかった。 以上の事から、これまでにmiR449aのノックアウトによる免疫担当細胞の量的、機能的変化はとらえられなかった。
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