研究課題/領域番号 |
23790563
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
平川 仁尚 名古屋大学, 医学部附属病院, 特任助教 (00378168)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 介護・福祉 / 社会人教育 / 教育ニーズ / 緩和ケア / 高齢者介護施設 |
研究概要 |
愛知県の高齢者介護施設や認知症高齢者グループホームの教育担当者らと意見交換を行い、高齢者介護施設(介護老人保健施設・特別養護老人ホーム・有料老人ホーム)と認知症高齢者グループホームの教育担当者を対象にした全国アンケート調査(1次調査)の内容を確定し、平成23年7月頃から年度末にかけて実施した。対象は、平成24年度以降のワークショップ開催案内も兼ねて、秋田県(東北)、茨城県(関東)、愛知県(東海)、兵庫県(関西)、福岡県(九州)にある高齢者介護施設と認知症高齢者グループホームのそれぞれ全施設とした。4169施設中968施設から回答を得た(回収率23%)。その結果、概ね高齢者の終末期ケア全般に関心が高かったが、終末期の経口摂取不良への対処法、高齢者の緩和ケアの原則と考え方、終末期のケア・アセスメント法、せん妄への対処法、急変時の緊急対応、病院へ連絡・受診させるタイミング、ドクター・ナースへの報告、死亡直前の入所(居)者本人への寄り添い・ケア、死亡直前の家族への連絡説明、認知症の周辺症状、認知症の緩和ケア等において約半数の回答者が「是非教育プログラムに盛り込みたい」と考えており、関心が特に高いことが分かった。そして、1次調査で2次調査への協力の同意が得られた施設・グループホームの合わせて510施設の家族および介護士を対象に同様の学習ニーズに関する2次調査を開始した。また、この結果を参考に、前述の教育担当者らと協議を再度行い、終末期の経口摂取不良への対処法、高齢者の緩和ケアの原則と考え方、死亡直前の家族への連絡説明を盛り込んだ連続6時間半のワークショッププログラムを試作して福岡県で3月末に実施した(参加施設 72 施設)。本実績の意義は、時間的制約の中で学習効果が高いプログラムの立案と各施設での学習会の企画の参考資料となり得る。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定である家族・介護士向けアンケート調査の実施が遅れている。現在、発送準備に入っている状況である。一方、3月末に一回目のワークショップを開催できた点は当初の予定より1か月程早く進捗していると評価できる。以上より全体としては区分2と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策)全国各地でワークショップの開催を進めていく(既に秋田、筑波、名古屋、神戸の日程は確定)。同時に家族・介護師向けアンケート調査を実施し、内容の解析を進め、ワークショップの内容に反映させていく。必要があれば、ワークショップ開催地を他県に広げるか、同一地域で再度実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度に開催予定の筑波、秋田、神戸、名古屋での「高齢者終末期ケアを実践する上級介護職員のためのワークショップ」の案内を送付するための印刷費、郵送料、会場費、ワークショップ講師謝金、開催会場までの旅費、人件費(ワークショップ開催のための事務作業、アンケート入力・解析)を研究費として計画している。
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