前年に引き続き,病院・診療所の総合診療科/家庭医療科外来で,外来診察後の医師・患者を対象に,外来診察用に作成した信頼性・妥当性を担保された質問紙を用いてアンケートによる横断調査を行った。 研究に同意した患者は合計208名(患者の平均年齢 59.8歳,男性90名・女性118名)となった。医師の診療満足度で3群に分け,高い群・低い群で患者中心性・患者満足度について比較をしたが,患者満足度(45.2 vs 44.1 (p=0.17)),患者満足度(VAS)(88.9 vs 86.8 (p=0.54)),患者中心性(76.1 vs 71.4 (p=0.003)),患者中心性(VAS)(86.7 vs 88.5 (p=0.60))であった。 患者中心性について有意差のみられた面もあるが,VASと質問紙の総点で差異があり,医師の診療満足度が患者中心性・患者満足度と関連があるかについては,更なる研究を要すると考えられた。 また,医師の満足度と患者中心性,患者満足度でギャップの大きな者,少ない者と,医師により異なることが明らかになった。 医療コミュニケーション,混合研究法に詳しい海外の研究者と議論を行い,今後,これら医師個々に対して,ギャップの生まれる要因について,また更なる医療コミュニケーションの実践について,質的評価を発展的に行うことが望ましいとの結論に至った。
|