本課題の目的は、再生医療分野など先端医療技術の臨床応用で倫理的な問題となる「治療とする誤解」に注目し、同問題が発生する背景や、抑制するための施策について考察することである。研究期間においては、倫理審査委員会事務局の業務に携わった経験を活かし、インフォームド・コンセントや倫理審査の手続と、研究者の考えや行動、さらに被験者・患者の研究参加意識との関係に焦点を当てて考察した。 考察の結果、倫理的問題に制度として対応する姿勢と現場における実践として対応する姿勢の間にズレが存在しており、それが研究者行動だけでなく臨床研究におけるコミュニケーションにも少なからず影響を持ち得ることが分かった。
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