研究課題/領域番号 |
23790566
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
角 栄里子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30452337)
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キーワード | 臨床試験 / シミュレーション / データ収集 / 二次利用 / 電子カルテ |
研究概要 |
研究成果の具体的内容 電子カルテ検索システムを利用し、試験の実施をシミュレーションし、臨床試験・治験の実施の質とスピードおよび成功確率を上げることを目的としている。平成24年度は臨床研究の成否の予測、検索システムのデータモデル自体についても、学会で発表を行い、多数から関心を得られた。当該内容について論文化しており、現在関連の国際誌に投稿中である。本センターで実施予定の臨床試験について、規制当局からの求めに応じて過去の同様の患者情報の収集を行い、臨床試験の実施の準備に役だった。また、自主臨床試験および疫学研究で、本システムを利用してデータを収集した。結果は論文として公表された。本システムの有用性について研究者から調査を行っている。 意義、重要性 臨床研究で扱う医療情報は複雑で、簡単な検索機能だけでは電子カルテの情報を十分に活用できない。本システムは多数の項目を一度に検索可能であり、かつデータ収集機能を併せ持つという点で、最先端であり画期的である。さらに、これを実際の臨床研究で絶え間なく運用することにより、方法論を構築し、臨床研究の結果が出ることと同時にほかの研究にも適用可能な仕組みが確立されている。この研究は患者の医療情報を保護しつつ、実際の被験者への危険を最小限にしているという点で大変有意義である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年度に、臨床試験の選択除外基準をコンピュータで解析可能な形式に変更し、電子カルテの検索システムにプログラミングを行う予定であった。24年8月に研究協力者(プログラマー)が異動したため、プログラミングを行うことができなくなった。次年度以降、新規の検索に関しては、プログラムを外部に委託し、その結果を得ることとした。その後結果について学会・論文等で公表する予定であるため、異動に伴い研究が実施できず、未使用となった金額はその経費に充てることにしたい。
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今後の研究の推進方策 |
検索システムが薬剤の副作用の評価に利用できることが実証され、結果が公表されるに従い、他の医療機関から参考にしたいとの要望が有り、より積極的にデータモデルを共有していく。また、論文としてアクセプトに至っていない結果があるため、今年度中に公表されるようリバイスを急ぐ。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度の研究を継続しつつ、その成果を公表するため、学会での発表と論文作成を行う。このため、論文の出版・校正費用を計上する。 検索システムに関して、プログラムの作成費用と、システム改修・保守費用を計上する。また、関連する情報を学会や出版物等で収集する。外部研究者との情報交換のため出張経費を計上する。
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