研究課題
平成25年度は、平成23年度、24年度に実施した研究成果をまとめ、学会発表と論文として公表した。具体的には、臨床試験の選択除外基準をコンピューターで検索する際に、適切な形式に変換するための方法を構築し、それらを実際の19の臨床試験に適応し、電子カルテから適格患者数を予測した。さらに、これらの変換と電子カルテへの適応が妥当であるかどうかを評価するため、先行研究での結果と比較したところ、項目ごとの数値は異なるものの全体の総和での対応度はほぼ同数であり、妥当であると考えられた。このような妥当性も含め、予測可能性について論文として国際誌で研究成果を公表した。また、薬剤の副作用頻度を調査する疫学研究を本システムを用いて実施し、その結果は24年度に公表し、研究実施に関する方法論についても論文として公表した。さらに、規制当局や企業、学会からの情報提供(リスクコミュニケーション)がこれらの疫学調査にどの程度影響を与えたのかを調査し、この結果も25年度に論文として公表した。本研究の意義と重要性として、複雑で大容量の電子カルテ情報を利用したデータベースの構築およびその利用についての方法論を確立したことである。実際に、臨床試験の計画段階で、被験者数を予測することがある程度の精度で可能となったため、臨床試験の完遂の可能性を高めることができると考えられる。さらに電子カルテ情報の研究利用に関する方法の妥当性を実際の臨床研究において評価したことにより、電子カルテ情報を扱う際の利点、限界が明瞭になり、他者にとって有益な結果が得られたことは重要であった。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
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