研究課題
本研究の目的は、雇用形態の違いが生活習慣病発症に及ぼす影響をコホート研究で検証することである。調査開始時の雇用形態とその後の生活習慣病発症との因果関係を明らかにするために2つの調査を実施した。(1)「労働者の健康調査」と(2)厚生労働省「中高年者縦断調査」の目的外利用(匿名データ利用)申請の後に得た個票からコホート研究であった。さらに平成23年から開始した本研究では東日本大震災における社会の影響の大きさを鑑み、被災地における調査から得られた就労・雇用状況と健康に関する調査を追加的に実施した。(1)「労働者の健康調査」では職員数約1,500名の事業所のコホートを用いた分析を行った。雇用形態ごとの生活習慣病の発症と危険要因の保有に関する評価を行った。特に正規雇用者と比較して非正規雇用者でのBody Mass Indexの増加が統計的に有意に高いことを示した。(2)「中高年者縦断調査」のデータ分析の結果から、雇用形態別の生活習慣病発症の違いをコホート研究から実証し、正規雇用と比較した場合の非正規雇用では4年後の高血圧と糖尿病の発症に違いを検討した。(3)研究申請当初の計画にはなかったが、平成24年度から宮城県石巻市において東日本大震災被災世帯を対象とした健康と生活状況調査に参加した。被災地における就労状況と雇用形態別の健康状態と生活習慣等の違いを比較検討した。その結果、正規雇用者と比べて女性の非正規雇用者と男性の無職者でうつ症状を高い割合で有することを示した。
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