本研究の目的は、雇用形態の違いが生活習慣病発症に及ぼす影響を検証することであった。まず「労働者の健康調査」の追跡調査(コホート研究)において雇用形態ごとの生活習慣病の発症と危険要因の保有を評価し、正規雇用者と比較して非正規雇用者でBody Mass Indexが5年で増加する環境にあることを示した。 製造業工場における期間工と正規雇用者の比較では、正規雇用者と比べて期間工で血圧、脂質、血糖値が高く喫煙者が多くみられた。他方、正規雇用者も残業時間が長く、食事時間が不規則であった。検査結果から期間工での生活習慣病リスクの高さが示されたが、正規雇用者でも生活習慣不規則によるリスクが示唆された。
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