研究課題/領域番号 |
23790581
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
関 正康 東京医科大学, 医学部, 兼任助教 (00532227)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 国際情報交流 |
研究概要 |
本研究は,初期臨床研修医の症例提示指導にSNAPPSモデルを用いることによって,研修医の能力,特に鑑別診断や疑問点を挙げる能力,能動的学習を行う能力が向上するかを検証し,疑問点の表出が医療レベルを引き上げリスクを減らす効果があるのかを検証するものである.SNAPPSモデルは北米で広まっている指導法で,積極的に疑問点を表出し能動的な学習を促す目的で開発され,研修医の能力向上の効果を発揮することが期待されている. 平成23年度は,東京医科大学病院と東京慈恵会医科大学第三病院それぞれに勤務する初期臨床研修医併せて約50人を対象に,症例提示の調査を行った.研究計画に従い,研修医に対する指導法をSNAPPSモデルおよびone-minutes preceptorの2群に分けて行った.症例提示に際しての鑑別疾患や検査方法,そして自己学習のための疑問点や課題をどれくらい表出できるかを個数で測定すると共に,どのような課題・疑問を持っているかを質的にもデータ収集を行った. 前年度の調査によって,SNAPPSモデルとone-minutes preceptorの2群それぞれの,鑑別疾患や考えられうる検査の個数,疑問点・課題が測定できたため,さらに症例数を重ねて今年度は比較検討を行う予定である.疑問点や学習課題については,能動的な深いものから表面的な浅い考察まで様々であった.事後アンケートを行うことにより,能動的な自己学習が促進できるか検討を加える予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度は,本調査に向けての予備調査を予定していた.SNAPPSモデルとone-minutes preceptorの2群での鑑別疾患や検査項目,疑問点・課題の個数の測定に加えて,疑問点・課題の質的な解析も加えられた.本年度は学習の評価のため,事後アンケートの追加や調査法の変更を予定している.この点を踏まえると概ね順調に進行していると考える.
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は引き続き症例提示データの収集と,事後アンケートを加えた自己学習能力の質的解析を行う予定である.SNAPPSモデルの啓蒙と予備調査の報告を兼ねて,医学教育学会で発表を行う.平成25年度には鑑別診断の個数,疑問点・課題数の量的解析およびアンケート調査や面接の逐語録を基にした質的解析を行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の研究予定に従うが,設備備品費や消耗品費として録音会話解析・印刷・トナー・文具に,旅費等として学会参加費・資料整理に研究費をあてる予定である.
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