研究課題/領域番号 |
23790589
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
澁谷 郁彦 久留米大学, 医学部, 助教 (30412521)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | ストレス / コルチゾール / 疲労 / 質問紙 / 医師 |
研究概要 |
医師は、患者の生死に携わる仕事であり、長時間の労働時間や心身のストレスを伴うのを避けれない。研修医の疲労は医療過誤のリスクを高め、医師の脱落は過重業務の移譲を起こし、悪循環的に医療の質は衰退していく。医師は患者を守ると同時に、自分自身の命を守るプログラムを作る必要がある。本研究の目的は、研修医の疲労感および抑うつ感を科学的、生物的数量で反映する事である。ストレス関連マーカーによる研修医の疲労、うつ状態の生物学的解析において唾液中のコルチゾールなどのストレスマーカーを包括的測定する事で、ストレスの客観評価をおこなう。中でも、起床時のコルチゾー反応(awaking cortisol response)は視床下部-下垂体-副腎系の活動を表す指標である。起床時コルチゾール反応は慢性ストレスの人や労働時間の長い人、職場での仕事量が多い人は高い値を示す報告がある。平日の日勤、当直日と当直翌日の3回、唾液採取と自己記入式調査票の検査を行なっている。調査票は、仕事上のモチベーションと精神的健康度、気分状態の評価のため(オーバーコミットメント、General Health Questionnaire(GHQ28)、Profile of Mood Status)を用いている。現在、15名の臨床研修医と、卒後5-10年の中堅医師5名程度の検査が終了している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
医師を対象に平日の日勤、当直日と当直翌日の3回の検査を行なっている。医師は当直翌日も平常勤務を行なっている。そのため、臨床現場での急な対応が必要な時には検体採取ができない時があったり、仕事が忙しく検体採取を忘れていたりする事があるため予定検査人数よりやや遅れが見られている。
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今後の研究の推進方策 |
今後はストレスの客観評価をおこなうため、コルチゾール検体測定や仕事上のモチベーションと精神的健康度、気分状態の評価のため(オーバーコミットメント、General Health Questionnaire(GHQ28)、Profile of Mood Status)を用いての質問紙との関連の分析を行なっていく方針である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度はストレスの客観評価をおこなうため、コルチゾール検体測定検査や仕事上のモチベーションと精神的健康度、気分状態の評価のため(オーバーコミットメント、General Health Questionnaire(GHQ28)、Profile of Mood Status)を用いての質問紙との関連解析の結果を学会で発表し、論文作成予定である。検査費、解析費、人件費、文献、書籍費、学会発表のための旅費用等に研究費を使用予定である。
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