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2011 年度 実施状況報告書

プロドラッグを代謝する薬物代謝酵素の遺伝的多型の臨床的意義について

研究課題

研究課題/領域番号 23790604
研究機関大分大学

研究代表者

須崎 友紀  大分大学, 医学部, 助教 (50527645)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワードカルボキシルエステラーゼ / CES1 / プロドラッグ / 個人差 / 遺伝子多型 / オセルタミビル / タミフル
研究概要

CES1遺伝子の4つの遺伝子多型、CES1A1, CES1A1 variant, CES1A2, CES1A3の発現頻度解析を行った。またCES1で代謝活性化されるOseltamivir(商品名:タミフル)を用いた臨床試験を実施し、薬物動態解析を行った。被験者の平均年齢は23.7±3.7歳であった。CES1A1 wild type、1A1 variantの発現頻度はそれぞれ73.3%、26.7%であった。これらの値はこれまでに報告されている発現頻度と大きな違いをさなかった。CES1A2、CES1A3の発現頻度はそれぞれ60.0%、 40.0%であった。CES1A2、CES1A3の発現頻度は、これまでに報告されている32.5% (CES1A2)、 67.5% (CES1A3)とは大きく異なっていた。また、今回の研究では、CES1A3/1A3遺伝子を持つ被験者を見つけることができなかった。CES1A2、CES1A3の発現頻度の違いについては、今回の検討が30例と限られた症例数で実施したために生じた可能性も考えられるため、今後さらなる検討が必要である。また、今回の臨床試験において重篤な有害事象は、認めなかった。また、臨床試験を行った被験者のCES1遺伝子多型解析及びと薬物動態解析を行った。Oseltamivir(商品名:タミフル)の薬物動態は、今回測定したCES1遺伝子多型の違いによって有意な差を認めなかった。しかしながら、個人差は存在は確認できた。また、Oseltamivir(商品名:タミフル)の薬物血中濃度曲線下面積が他の被験者の平均より約10倍程度高い被験者が1名見つかった。現在、本研究結果については論文投稿中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

CES1遺伝子の4つの遺伝子多型、CES1A1, CES1A1 variant, CES1A2, CES1A3の発現頻度解析を行い、CES1で代謝活性化されるOseltamivir(商品名:タミフル)を用いた臨床試験の薬物動態解析結果を論文投稿するところまで実施できたため、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

今回解析したOseltamivir(商品名:タミフル)の薬物動態については、CES1遺伝子の4つの遺伝子多型の違いによって説明できなかった。これらについては、CES1A遺伝子多型で説明できない薬物動態の個人差が存在する可能性が明らかとなっている。しかし、薬物動態の個人差については認めたため、今後はCES1遺伝子の他の変異と薬物動態との相関を調べていきたい。薬物動態と関連するような新たな変異が見つかった場合には、さらに臨床試験を実施して検証したい。

次年度の研究費の使用計画

遺伝子解析費用、論文投稿費用、新たな変異が見つかった場合については、臨床試験実施費用として使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] オセルタミビル(タミフル)の薬物動態に及ぼすCES1A遺伝子多型の影響

    • 著者名/発表者名
      須崎友紀、森本卓哉、伊藤田暎子、高田誠、今井浩光、大山哲司、濱崎一、廣田和仁、上村尚人、稲野彰洋、立石正登、大橋京一
    • 学会等名
      第32回日本臨床薬理学会年会
    • 発表場所
      浜松
    • 年月日
      平成23年12月1日

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公開日: 2013-07-10  

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