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2012 年度 実施状況報告書

悪性胸膜中皮腫における腸上皮細胞発現分子インテレクチンー1の発現制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23790634
研究機関地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所)

研究代表者

山下 真紀子(辻真紀子)  地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), その他部局等, 客員研究員 (60397776)

キーワード中皮腫 / インテレクチン
研究概要

本研究は、悪性胸膜中皮腫(以下、中皮腫)が中皮細胞の腸上皮化生様の変化であるという仮説のもと、中皮腫と腸上皮化生との関連性を分子レベルで明らかにすることを目的としている。
前年度では、中皮腫や腸上皮化生組織における、中皮腫関連因子および腸上皮化生関連因子の免疫組織学的解析を行った。その結果、上皮型中皮腫と腸上皮化生の両部位において、インテレクチン-1が特異的に発現していることが判明した。
そこで、今年度は、インテレクチン-1遺伝子のプロモーター領域の解析を行った。
インテレクチン-1高産生ヒト悪性中皮腫細胞株ACC-MESO4を用いて、インテレクチン-1遺伝子の上流を含む約2500残基を、ルシフェラーゼ遺伝子の上流にクローニングした。転写開始点を+1とし、-2180~+344を含む領域内で30個の欠失変異体を作製した。作製した変異体を中皮腫細胞株へ遺伝子導入し、ルシフェラーゼ活性を指標にプロモーター領域の同定を試みた。その結果、コントロールベクターでのルシフェラーゼ活性を100%とした時、2つの領域において、高い活性(600~20000%)を認めた。
今後、さらにこの領域における変異体を作製し、転写調節に関わる領域を決定するとともに、転写調節因子の結合部位と因子の特定を試みる予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上皮型中皮腫と腸上皮化生の両部位において、特異的に発現しているインテレクチン-1遺伝子の上流を含む約2500残基内にて、30個の欠失変異体を作製した。作製した変異体を中皮腫細胞株へ遺伝子導入し、ルシフェラーゼ活性を指標にプロモーター領域の同定を試みた結果、特に高い活性を示す2つの領域を発見している。

今後の研究の推進方策

今後は、本研究計画にもとづき、さらにこの領域における変異体を作製し、転写調節に関わる領域を決定するとともに、フットプリント法にて転写調節因子の結合部位と因子を推定する。また、該当領域のゲルシフトアッセイを行い、中皮腫においてインテレクチン-1の発現を誘導する転写因子を同定する。

次年度の研究費の使用計画

本研究を遂行するにあたり、大型機器や研究環境等に問題はなく、現有設備を使用するため、設備備品費は計上しない。研究経費の多くを、分子生物学的解析に必要となる試薬やプラスチック製品などの消耗品の購入にあてる。また、研究計画にある通り、研究成果を発表するための旅費や投稿料としても使用する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Specific Expression of Human Intelectin-1 in Malignant Pleural Mesothelioma and Gastrointestinal Goblet Cells2012

    • 著者名/発表者名
      Kota Washimi
    • 雑誌名

      PLoS ONE

      巻: 7 ページ: e39889

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0039889

    • 査読あり
  • [学会発表] 悪性胸膜中皮腫と腸上皮化生におけるマーカー蛋白質の発現の比較

    • 著者名/発表者名
      山下真紀子
    • 学会等名
      第71回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      北海道札幌市ロイトン札幌
  • [学会発表] インテレクチン-1は上皮型悪性胸膜中皮腫の優れたマーカーである

    • 著者名/発表者名
      辻祥太郎
    • 学会等名
      第71回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      北海道札幌市ロイトン札幌
  • [学会発表] 悪性胸膜中皮腫に対するモノクローナル抗体の作製

    • 著者名/発表者名
      影山泰平
    • 学会等名
      第71回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      北海道札幌市ロイトン札幌

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公開日: 2014-07-24  

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