レプチン受容体欠損マウス(db/db)を用いてPPARgammaアゴニストrosiglitazoneの鎮痛作用とマクロファージ極性への作用を検討した。db/dbマウスでは機械的刺激に対する閾値が低下しており、術後痛モデルを作製しrosiglitazoneを投与したところ、正常マウス(m/m)では疼痛閾値の上昇がみられたが、db/dbマウスでは鎮痛効果は術後7日目までみられなかった。db/dbマウスの手術創部においては術後7日目においても好中球の浸潤がみられ、また抗炎症型M2マクロファージへの極性変化が有意に減少していた。そこでdb/db由来腹腔マクロファージを単離し、LPS存在下にrosiglitazoneで刺激したが、貪食活性やアポトーシスに変化がみられなかった。db/dbマウスではresolvinをはじめとする炎症関連物質が減少していることが報告されている。db/dbにおいてPPARgammaシグナルがM2マクロファージへの極性変化を促進するにはそれらの因子が不可欠であると仮定し、さらに検索をおこなっている。
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