肥満や糖尿病患者で認められる高遊離脂肪酸血症が、心血管系疾患の発症に関与することが示唆されている。しかし、心臓、血管における脂肪酸の質的変化が病態に関与するかどうかについては明らかにされていない。そこで我々は飽和脂肪酸を不飽和脂肪酸に変換するSCD1と、飽和、不飽和脂肪酸の鎖長を伸長するElovl6という、2つの脂肪酸触媒酵素に着目した。我々の結果から、心臓および血管における脂肪酸組成の変化が病態の発症や進展に関与すること、また、SCD1およびElovl6が心血管系疾患の新たな予防および治療のターゲットとなることが示唆された。
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