1955年夏、ヒ素を混入したミルクによる食中毒が西日本中心に発生した。しかしながら、疫学的検証は充分には行われていない。その為、ヒ素曝露を受けた集団を対象として、ミルク飲用と健診所見、神経学的所見やがん関連のマーカーとの関連を検討するパイロット研究を行った。50名(飲用群27名、非飲用群23名)を対象とし、2012年4月24日から2013年2月26日の間に調査を行った。結果、飲用群において非飲用群に比べ、いくつかの自覚症状が多く見られた。神経認知行動学的検査においては、フィンガータッピングは差が認められなかったが、その他の検査項目で差が認められた。また、健診所見において差を認めた項目があった。
|