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2012 年度 実績報告書

発癌二大シグナル伝達経路を標的とした食品成分による分子標的癌予防法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23790669
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

与五沢 真吾  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70381936)

キーワード食品成分 / 癌予防 / 細胞周期 / シグナル伝達経路 / MEK-ERK経路 / PI3K-AKT経路 / CDK阻害因子
研究概要

ウコン等の含有成分であるクルクミンは高い抗酸化性をもち、抗癌性物質として期待され、MEK-ERK経路阻害効果など、多数の研究報告がある。一方で、その半量体の構造をしており、ショウガ等の含有成分であるデヒドロジンゲロンについてはほとんど知られていない。本年度はデヒドロジンゲロンの細胞増殖抑制効果を解析し、報告した。デヒドロジンゲロンはヒト大腸癌HT-29細胞に対し濃度依存的に増殖抑制効果を発揮した。フローサイトメトリー解析により、デヒドロジンゲロンで処理された細胞はG2/M期停止及びアポトーシスが誘導されていることが判明した。またp21の発現誘導、及び活性酸素種(ROS)の細胞内蓄積が観察された。異性体間での細胞増殖抑制効果と細胞内ROS蓄積との間には正の相関関係があったことから、デヒドロジンゲロンによる細胞増殖抑制効果には、細胞内ROS蓄積が関与している可能性が考えられた。また、ヒト子宮体癌HEC-1A細胞においては、PI3K-Akt経路阻害剤とMEK-ERK経路阻害剤の併用はあまり効果がなく、PI3K-Akt経路阻害剤とヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDACI)の併用が有効であることを示した。そこで、PI3K-Akt経路阻害効果が知られているローズマリー等のハーブ類に含まれる成分カルノソールと、HDACIとして知られる食品成分である酪酸の併用を試みたところ、併用により細胞生存率の低下とアポトーシスの増強がみられた。しかし、大腸癌の細胞に対しては現在のところ有意なアポトーシス増強を観察できていない。現在大腸癌細胞を用いたMEK-ERK経路阻害性食品成分とPI3K-Akt経路阻害性食品成分の併用実験を数種類の食品成分で検討中である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Combination of a novel HDAC inhibitor OBP-801/YM753 and a PI3K inhibitor LY294002 synergistically induces apoptosis in human endometrial carcinoma cells due to increase of Bim with accumulation of ROS2013

    • 著者名/発表者名
      Yoshioka T, Yogosawa S, Yamada T, Kitawaki J, Sakai T.
    • 雑誌名

      Gynecologic Oncology

      巻: 129 ページ: 425-432

    • DOI

      10.1016/j.ygyno.2013.02.008

    • 査読あり
  • [雑誌論文] p53 inactivation upregulates p73 expression through E2F-1 mediated transcription2012

    • 著者名/発表者名
      Tophkhane C, Yang SH, Jiang Y, Ma Z,Subramaniam D, Anant S, Yogosawa S, Sakai T, Liu WG, Edgerton S, Thor A, Yang X
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 7 ページ: e43564

    • DOI

      DOI:10.1371/journal.pone.0043564

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Dehydrozingerone, a structural analogue of curcumin, induces cell-cycle arrest at the G2/M phase and accumulates intracellular ROS in HT-29 human colon cancer cells2012

    • 著者名/発表者名
      Yogosawa S, Yamada Y, Yasuda S, Sun Q, Takizawa K, Sakai T.
    • 雑誌名

      Journal of Natural Products

      巻: 75 ページ: 2088-2093

    • DOI

      10.1021/np300465f

    • 査読あり
  • [学会発表] ヒト大腸癌細胞におけるブラシニンのPI3K-Akt 経路を介する細胞周期停止誘導効果

    • 著者名/発表者名
      与五沢真吾、泉谷泰行、曽和義広、酒井敏行
    • 学会等名
      第19回日本がん予防学会
    • 発表場所
      じゅうろくプラザ(岐阜市文化産業交流センター)

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公開日: 2014-07-24  

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