研究課題/領域番号 |
23790675
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
畑 春実 昭和大学, 医学部, 助教 (00396441)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 膵癌 / アネキシン |
研究概要 |
膵癌は、最難治癌の1つである。膵癌患者の予後改善には、早期診断法と新規治療法の開発が必須である。本研究は、新規癌促進遺伝子Annexin A8のエピジェネティクス制御機構の破綻を指標として、膵癌発生・進展促進因子の網羅的探索を行うことで、将来の膵癌発癌予防、早期発見、予後改善につなげることを目的とする。1、内在性プロモーター制御下のレポーター遺伝子発現系の構築Annexin A8プロモーター領域の脱メチル化作用を有する物質を網羅的に探索するため、内在性Annexin A8プロモーターの制御下にレポーター遺伝子(Luciferase)を発現させるためのコンストラクトを作成した。2、膵癌モデルマウス作製(恒常活性変異型KrasG12D発現+p53ノックアウト)のため、変異型KrasG12D発現マウスの購入手続きを進めている。p53ノックアウトマウスは、繁殖に失敗し、体外受精からやり直している。代替的に、発がん物質の投与により皮下腫瘍を作成し、肝・肺転移時における膵臓でのAnnexin A8の発現変化を検討した。3、膵癌におけるAnnexin A8の機能、その発現調節機構に関する研究成果(H21-22年度若手B交付内容も含む)の論文を投稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
膵癌におけるAnnexin A8の機能、その発現調節機構に関する研究成果(H21-22年度若手B交付内容も含む)の論文投稿に時間を要しているため。現在、投稿中(リバイス中)。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、まずin vivoにおいて、膵発癌・悪性化とAnnexin A8の発現・メチル化パターンとの関連を示していく必要がある。将来的には、臨床検体を用いて評価していくことが必要とされる。また、Annexin A8の機能は未だ不明な点が多く残されているため、解析を進める。このことが、将来、膵癌の早期診断、予後予測、新規治療法の開発につながると考える。
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次年度の研究費の使用計画 |
1、 膵癌モデルマウスにおける段階的発癌・進展過程とAnnexin A8のメチル化パターンの相関性評価を進める。膵癌モデルマウスの作成は、課題申請時に想定した以上の高度な技術・知識が必要であった。熟練に時間を要すると予想される。変異型KrasG12D発現マウスの購入手続きを進める。p53ノックアウトマウスは、繁殖を進める。2、膵癌の悪性化におけるAnnexin A8の機能解析を評価する。これまで得られた結果から、膵癌細胞が低酸素、低栄養環境に適応するためにはAnnexin A8が必要であると予想される。このため、Annexin A8の機能解析をさらに進めることが膵癌の悪性化のメカニズム解明に貢献すると予想される。3、平成23年度に作製した内在性Annexin A8プロモーター制御下のレポーター遺伝子発現用コンストラクトを用いて、恒常的発現細胞株を作製し、脱メチル化促進因子を網羅的に探索する。
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