• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実績報告書

自殺高率地域での自殺の社会コスト:社会的包摂アプローチによる公衆衛生学的検討

研究課題

研究課題/領域番号 23790682
研究機関秋田大学

研究代表者

金子 善博  秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70344752)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2015-03-31
キーワード自殺 / 社会コスト
研究実績の概要

社会的弱者の自殺のリスクの高さが指摘されてきたが、社会的弱者の周囲との関係性については研究、知見が限られ、彼らの自殺の周囲への影響の評価は難しい。児童民生委員等の地域の役職者の福祉における役職の違いを代替指標として検討を行った。
自殺高率地域の都市部(A市)で地域の役職者を対象に行った調査において、担当地域内で知っている人が自殺したかどうかについて関連要因を多変量ロジスティック回帰分析で検討した結果、地域での役職(児童民生委員、地区社会福祉協議会役員、福祉協力員、保健推進員)の違いは関係なく、オッズ比は小さいものの住民を知っている割合の高さ、役職経験年数の長さが関連していた(住民を知っている割合と役職経験年数の長さの相関は弱い)。単純集計では児童民生委員や地区社会福祉協議会役員は他の役職者に比べ担当地区内住民の自殺を知っていた割合が高かったが、今回の分析で役職に関連しなかったことには調査地域における自殺者にしめる高齢者割合の高さが関連していた可能性がある。
また、同調査における自殺対策への支払意志額(自殺対策に充てることが望ましい住民一人あたりの予算額(政策費))に、周囲(家族や知人などの近親者、担当地域の住民)に自殺者がいたことは関連しなかった。対策への支払意志額の高さは自殺の社会コストのうち外部不経済に関係すると思われるが、今回の分析においては自殺が周囲の人に及ぼす社会的コストの増加は観察されなかった。支払意志額への回答割合が低かったことも、自殺への適切な関心の向け方に課題があることを示唆すると考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Self-Efficacy as a Suicidal Ideation Predictor: A Population Cohort Study in Rural Japan2015

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi Y,Fujita K, Kaneko Y, Motohashi Y
    • 雑誌名

      Open Journal of Preventive Medicine

      巻: 5 ページ: 61-71

    • DOI

      10.4236/ojpm.2015.52007

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 多角的視点から見た自殺対策の今後の課題 地域における自殺予防対策関連活動の拡がりと課題2014

    • 著者名/発表者名
      金子善博
    • 学会等名
      第73回日本公衆衛生学会総会
    • 発表場所
      宇都宮市
    • 年月日
      2014-11-05 – 2014-11-07

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi