研究課題/領域番号 |
23790684
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小西 祥子 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70451771)
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キーワード | 妊孕力 / 受胎待ち時間 / 出生力 / リプロダクティブヘルス / バイオマーカー |
研究概要 |
本年度は、(1)再生産機能の老化のバイオマーカー(抗ミュラー管ホルモン:AMH)と生活習慣・月経周期の関連に関する調査と、(2)妊娠や出産と生活習慣・月経周期の関連についての質問票調査の2つの調査を実施した。 (1)は東京都内の大学生(20-22歳)98人を対象として実施した。このうち5か月間にわたり月経カレンダーを記録し、経口避妊薬を使用しなかった女性、65人を解析の対象とした。月経痛が軽い女性と比較して、月経痛が重い女性ではAMH濃度が低いという、先行研究で今まで報告のない新しい知見が得られた。一方、不規則な月経周期の女性は、規則的な月経周期の女性と比較して高いAMHを示したが、これは先行研究の知見と一致していた。これらの結果については、今月末までに論文を投稿する予定である。 (2)については、全国の20-44歳の女性3214人を対象として、インターネット調査によって実施した。これによって、受胎待ち時間(妊娠を企図してから妊娠するまでにかかる月数)の推定値が得られた。今後は、どのような生活習慣、または月経周期の特徴が、より長い受胎期間と関連するのかについて解析を行う予定である。また今回の対象集団では、欧米諸国の女性と比較して、経口避妊薬の使用者割合が非常に低く、不確実な避妊方法に頼る女性が多い傾向が明らかとなった。次年度は今回の対象者を対象とした追跡調査を実施し、ベースライン調査における避妊の実施が、その後の望まない妊娠や中絶とどのように関連するのかについても解析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は2つの調査を実施し、有意義な結果を得ることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
来年度以降は、今年度の調査の参加者を対象として追跡調査を実施するとともに、これまでの研究成果を国内外の学会で発表し、論文として投稿する。
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次年度の研究費の使用計画 |
3月にインターネット調査として予算を執行したが、端数は使い切ることができなかったため。 次年度の消耗品費と合算して使用する。
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