本研究ではハンセン病患者および回復者を親に持つ14-17歳の思春期青年(17名)を対象とした半構造化面接を行い、親の病に関する主観的な体験を通して、どのような過程によって患者の子どもにスティグマが付与されるかを解明することを目的とした。得られたデータは質的帰納的分析を行った。その結果、親の病気を自覚した年齢は10歳以下であった。研究参加者は親の病気を自覚した際、ネガティブな感情を持ちつつも親へのいたわりも有していた。また、居住制限や隣人との確執など、親の病気によるコミュニティからの排除と、その結果である生活環境の変化と心理的苦痛がスティグマ付与の過程であることが示唆された。
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