研究概要 |
慢性疼痛(6カ月以上続く痛み)によって患者が被る苦痛は身体的および精神的に甚大であり、その公衆衛生対策立案は重要な課題である。本研究は、地域の中高年者の集団を対象に大規模横断調査を行い、慢性疼痛の有病率、部位、種類、および関連する諸要因を探索することが目的である。調査票作成、住民説明書作成、同意書作成を行い、広報活動として事前住民説明会、各種団体への協力願い・説明会を行った。調査票は、身体の図を示した上で6ヶ月以上続いている痛みのある部位およびその程度を選択させ、痛みの程度はSF-36の方法に準じて作成した。さらに、疼痛が、運動・動作と関連があるかどうかを調べるため、9項目(座位、椅子から立ち上がり、床から立ち上がり、歩行、階段昇降、就寝時、洗面、重労働作業時、着替え)の動作に関連した疼痛についても尋ねた。対象地域である村上保健所管内の対象者数は、関川・粟島浦地区3,823人、荒川地区5,144人、神林地区4,468人、旧村上地区6,842人、岩船地区2,005人、瀬波地区2,400人、海府地区658人、山辺里地区1,700人、朝日地区5,076人、山北地区3,266人で、合計35,382人あった。地区ごとの調査票の配付回収を行い、回収数は関川・粟島浦地区2,685人、荒川地区1,407人、神林地区1,541人、旧村上市(村上地区、岩船地区、瀬波地区、海府地区、山辺里地区)4,337人、朝日地区2,225人、山北地区1,197人で、合計13,392人であった。現在、得たデータのクリーニングを行っている。
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