早期入植双翅目昆虫の入植条件の把握と寒暖境界期の死後変化と死体昆虫相について基礎的知見を得るために,寒暖境界期および長期屋外ブタ屍留置実験とブタ肉片屋外留置実験を行った。寒暖境界期のブタ屍の死後変化は膨満期がみられないまま緩徐に進行すること,死体昆虫相は晩秋および春期で共通すること,晩秋の早期入植双翅目は大型幼虫ないし抱卵成虫にて越冬している可能性が示唆されたこと,これらの結果から,死体現象や死体昆虫相から当該期の死後経過時間を推定する際には注意が必要なことが明らかとなった。また,盛夏に死体昆虫相が減少する要因として,早期入植クロバエ科の活動が鈍化することが示唆された。
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