研究課題/領域番号 |
23790738
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
亀山 祐美 東京大学, 保健・健康推進本部, 助教 (60505882)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 介護ストレス症候群 / 介護うつ病 / 老老介護 / 認知症 / 介護サービス / バイオマーカー |
研究概要 |
平成21年-22年に実施した[介護ストレス症候群のバイオマーカーの確立]の研究参加者のうち、老々介護世帯32組(2名死亡)の2年後の介護ストレス追跡調査を行っている。認知症進行の程度や介護サービスを変更による介護者ストレスの変化を追う。現在、外来にてデータ回収中である。平成21-22年度の調査のサブ解析を行い、うつ評価であるGDS(Geriatric depression scale)やZarit介護負担感・心理検査のデータから、男性介護者は妻の認知症が進行すると介護負担・うつ・不安が増えるが、女性介護者は夫の認知症初期から介護負担大きく、逆に進行するとうつや敵意が減ることがわかった。このように、介護ストレスには性差があり、それを考慮した介護支援が望まれる。平成21-22年度の調査では、唾液アミラーゼをストレスマーカーとして使用していたが、ほかのストレスマーカーとして知られているコルチゾール、クロモグラニンA、IgAの測定を追加で行った。検査キットと予算の関係で16組(32名)での解析であるが、患者と介護者を比較するとクロモグラニンAは介護者のほうが平均200%増、IgAは164%増で、症例数が少なく有意差はでないが、クロモグラニンAとIgAは、介護者のうつ状態(GDS;Geriatric Depression Scale)と関連がみられる可能性があり、症例数を増やして検討することにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査を開始してから2年たち、認知症患者の症状は進行しており、介護度・介護サービスを変更・追加して治療を行っている。認知症進行による介護者ストレスの変化や介護サービスによる介護者ストレスの変化を老老介護中の介護者32組で順調に調査できている。
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今後の研究の推進方策 |
回収した老老介護ストレス調査のデータ解析、2年間での認知症の進行・介護サービスとストレスとの関係の調査を行う。関連施設を利用している患者、介護者における介護サービス導入前後のストレス調査を新たに行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
検体検査や唾液アミラーゼ、コルチゾール、クロモグラニンA、IgAの測定のためのキットの購入が主で、心理検査購入、心理検査施行・採点のための臨床心理士の人件費、関連施設での介護者ストレス調査のための旅費、学会発表のための旅費の使用予定がある。
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