認知症患者の介護は、身体的・精神的な負担をもたらす。介護ストレスを評価し、介入によるストレスの変化を心理検査や唾液アミラーゼで測定した。1年半の経過で、薬物療法を変更していない10例において、介護保険利用状況にわけて、検討を行った。認知症は進行しているが、介護サービスを必要に応じて増やした群は、介護者の状態不安、怒り-敵意、QOL(Quality of Life)が改善していた。それに比べ、認知症の進行はあまりないものの、介護保険未申請群は、疲労、緊張、うつ、QOLが悪化していた。介護保険のサービスを個々の必要に応じて変更することで、介護者の心身の健康状態が改善することが予測された。
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