研究課題
平成23年度に実施していた、緩和ケアチーム介入患者のQOL評価を介入前後で比較検討を行った。緩和ケアチーム介入前と1週後のQOLをEORTC QLQ-C15-PALから変換したドメインごとのスコアを用いて調査した。患者QOLに与える影響が患者固有の特性(年齢、性別、Performance Status (PS)など)と測定時期に依存すると仮定し、共変量の影響について構造方程式モデルとデルタ法を用いて考えた。PCTが介入した患者35例のうち、1週後のQOLの評価を実施できた26例を解析対象とした。共変量の影響について構造方程式モデルとデルタ法を用いることで、効果指標は緩和ケアチーム介入がもたらす直接効果と、共変量を介した間接効果に分割して各々のパラメータを算出する事ができた。以上の結果については、日本緩和医療薬学会学術大会で報告を行なった。スクリーニングシートについては、EORTC QLQ-C15-PALとの分析を行っているが、さらに既報告されているMDSAIやESASなどとの妥当性の検討が必要であると考える。
3: やや遅れている
平成24年度についてはスクリーニングシートの検証を行う予定であったが、カットオフ値の設定などについては、さらに検討が必要であると考える。また、さらに、既報告されている、他のQOL評価ツールとの妥当性の評価が今後さらに必要であると考えられるため。
緩和ケアチーム介入終了後に、患者・家族に対してアンケート調査を行う。調査項目としては、緩和ケアチーム活動の満足度、安心感について「がん医療に対する安心感尺度」を用いて検討する。また、外来患者に対してもスクリーニングシートが有効であるか検討し、早期からの緩和ケアチームの介入に有効であるか検証する。
アンケート調査を行うために調査のために諸経費が必要と考える。また、QOLについて国内、国外の学会や学術大会へ調査に行く予定である。また本研究成果を学術大会へ発表を行う予定としている。本研究の結果について学術誌への投稿を予定しているため諸経費を計上している。
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Palliative Care Research
巻: 7 ページ: 368-373
10.2512/jspm.7.368