研究概要 |
本研究では、悪性腫瘍患者に対して、スクリーニングシートによる苦痛の評価を行い、診断早期からの緩和ケアチームの介入の効果を明らかにした。神戸大学医学部附属病院に入院した悪性腫瘍患者にスクリーニングシートを配布し、緩和ケアチーム介入が介入する患者を抽出した。個々の苦痛・ニーズに応じて、身体・精神・心理・社会的な側面から緩和ケアチームが介入を行った。QOLの評価を緩和ケアチーム介入前(ベースライン)、介入開始1週間後、4週間後および12週間後にEORTC-QLQ-C15-PAL日本語版質問票を用いて行った。主要(一次的)評価項目としては緩和ケアチーム介入前後のEORTC-QLQ-C15-PALをアウトカムとし検討し、副次的評価項目としてはスクリーニングシートの実施率、症状の有病率、緩和ケアチーム紹介率、緩和ケアチーム介入群と非介入群の苦痛比較、緩和ケアチームへの満足度について検討した。スクリーニングシートの配布により、緩和ケアチームへの紹介率は配布前と比較すると増加した。緩和ケアチームによる介入の効果としては、1週間、4週間での期間であっても, 疼痛や呼吸困難などの身体症状の改善が得られることが明らかとなった。
|