研究課題
今年度は、昨年度の研究成果で得られたマクロファージの活性化を制御することで骨肉腫移植モデルマウスにおいて有効性を示した(皮下腫瘍重量の減少ならびに腫瘍の肺転移を抑制)Corosolic acidならびにOnionin Aのマクロファージ以外の免疫関連細胞に対する作用を評価した。Cororolic acidおよびOnionin A投与群では、皮下腫瘍中のCD4陽性T細胞ならびにCD8陽性T細胞の数が顕著に増加していたことから、近年注目されているミエロイド由来免疫抑制細胞(T細胞の活性化を抑制する細胞)に対する作用を評価した。その結果、Cororolic acidおよびOnionin Aは、ミエロイド由来免疫抑制細胞を抑制することでT細胞の活性化抑制を解除していることが明らかとなった。ゆえに、Cororolic acidおよびOnionin Aは、マクロファージの活性化制御のみならずミエロイド由来免疫抑制細胞にも作用することで、抗腫瘍免疫を活性化し、結果的に腫瘍の進展を抑制することが示唆された。さらに、今年度はOnionin Aに構造が類似している新たな低分子化合物がOnionin Aと同様に骨肉腫移植モデルマウスにおいて皮下腫瘍重量の減少ならびに腫瘍の肺転移を抑制することを明らかにした。つまり、Onioinin Aの基本骨格が腫瘍免疫の賦活化に重要である可能性が示唆されたため、現在Onionin Aを基本骨格とした誘導体の合成に着手し、より免疫賦活作用の強い化合物の発見を目指している。
すべて 2013 2012 その他
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
Molecular Nutrition & Food Research
巻: in press ページ: in press
10.1002/mnfr.201200610
Journal of Clinical and Experimental Hematopathology
Chemical and Pharmaceutical Bulletin
巻: 60 ページ: 747-751
Biochemical and Biophysical Research Communications
巻: 425 ページ: 304-308
10.1016/j.bbrc.2012.07.086.
Cancer Science
巻: 103 ページ: 2165-2172
10.1111/cas.12015
Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition
巻: 51 ページ: 143-149
10.3164/jcbn.11-33.
http://www.medic.kumamoto-u.ac.jp/dept/patho2/patho2.html