研究課題/領域番号 |
23790752
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
遠藤 真理 北里大学, 東洋医学総合研究所, 研究員 (60296829)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
キーワード | 内科学一般 / 東洋医学 / 呼気試験 / 潰瘍性大腸炎 / 漢方薬 / DSSマウス大腸炎 / 13C酪酸 |
研究概要 |
UC患者では13C酪酸注腸後の呼気中13CO2の増減により病状の改善や炎症程度を評価出来ることが報告されている。DSSマウス大腸炎の大腸細胞では14C酪酸を用いてマウス大腸炎の病態と酪酸の分解の欠如が関係していることが報告されているが、13C酪酸注腸呼気試験による非侵襲的な方法での検討はされていない。そこで、DSS大腸炎マウスに13C酪酸を注腸して呼気試験による酪酸代謝が炎症の程度と漢方薬による炎症の改善を反映するのか否かを検討した。まず異なる濃度のDSSで惹起したマウス大腸炎における酪酸代謝の変化を13C酪酸呼気試験で排出された呼気中13CO2で評価した。次に呼気試験後解剖し異なる濃度のDSSによる炎症程度の違いを病理組織学的観察、大腸全長、MPO活性を指標として評価した。さらに、DSSマウス大腸炎において炎症の程度が酪酸代謝と相関しているのかどうかを検討した。また、DSS以外の薬剤TNBS誘発マウス大腸炎やに大腸に炎症は示さないが腸管運動を亢進する過敏性腸症候群モデルであるMO誘発マウス過敏性腸症候群おいても酪酸代謝により炎症の評価が可能か否かを検討した。正常群に比べ0.25、0.5、0.75%DSSで大腸全長の有意な短縮、0.5、0.75%DSSでMPO活性の有意な増加、DSSの投与で炎症細胞浸潤と腺窩の脱落範囲の有意な増加を認めた。13C酪酸注腸呼気試験の結果、0.5、0.75%DSSで、CmaxとAUCが有意に減少し、大腸全長との間に有意な強い正の相関、MPO活性との間に有意な負の相関、炎症細胞浸潤と腺窩の脱落範囲との間に有意な負の相関を認めた。TNBSマウス大腸炎では病理組織学的な炎症所見が観察され13CO2排出曲線がVehicle群に比し下にシフトした事から13C酪酸注腸呼気試験はマウスの大腸炎の炎症の有無を非侵襲的に評価できることこが示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した平成23年の研究実施計画の項目は全て現段階で終えており、結果として目的で示した項目のうち半分が達成されている。
|
今後の研究の推進方策 |
現在までの結果を学会発表や投稿論文にてまとめる予定である。引き続き、平成24年度の研究実施計画の検討を行う予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
現在までの研究成果の報告の為の英文校正代や掲載料、印刷料などの諸経費が必要となる。呼気試験を行う為の機材類は平成23年度中に購入したものを引き続き利用出来るので出費は無いと考えられる。しかしながら、消耗品であるチップ類や試薬、動物においては次年度も購入する必要がある。
|