研究課題
今年度は研究室の異動があったため、これまでの研究対象としていたメタボリックシンドロームや動脈硬化症などの疾患への応用という目的から、新たな研究室での研究対象となる自己免疫疾患への応用へと対象の変更を行って研究を進めることとした。自己免疫疾患の抑制に大きく関与すると考えられている制御性T細胞は核内受容体RARのアゴニストであるレチノイン酸によって分化促進することが知られている。そこで、RARとヘテロダイマーを形成するRXRについて合成アゴニストであるベキサロテンと厚朴に多く含有される天然由来RXRアゴニストであるホーノキオールについて制御性T細胞への分化促進作用を検討した結果、ともに分化促進作用を有している結果を得た。また、レチノイン酸との相乗効果も見出され、核内受容体を介した自己免疫疾患治療効果が期待される。現在、自己免疫疾患のモデルとして使用されるEAEモデルマウスを使用してホーノキオールおよび厚朴抽出エキスの効果を検討している。これまでの研究結果からRARアゴニスト活性を示す生薬も多数みいだしていることから、今後、RARアゴニスト活性を有する生薬を含む漢方方剤において厚朴を加えることにより、自己免疫疾患モデルでの有効性が変化するかどうか検討を行っていきたいと考えている。
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