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2012 年度 実績報告書

慢性ストレス形成過程における中枢神経系の機能変化と低血圧発症の関係

研究課題

研究課題/領域番号 23790756
研究機関近畿大学

研究代表者

船上 仁範  近畿大学, 薬学部, 講師 (70449833)

キーワード慢性ストレス / SARTストレス / 脳内神経活動 / CRF / 低血圧
研究概要

これまでに,SARTストレス(慢性ストレス)形成過程において,視床下部の室傍核(PVN)や背内側核(DMH),さらに延髄の淡蒼縫線核(RPa)で神経活動の異常が認められ,ストレス応答に重要な視床下部-脳下垂体-副腎皮質系(HPA系)と視床下部-交感神経-副腎髄質系(SAM系)による制御が破綻している可能性を示唆する結果を得た。今年度はこれらストレス応答関連3領域における神経活動に対するジアゼパムの効果を検討した。また,SARTストレスによる血清コルチコステロン濃度(CORT)の変化とPVNにおけるコルチコトロピン放出因子(CRF)作動性神経の変化についても検討した。ジアゼパムはSARTストレスによるうつ・不安,痛覚過敏,消化管運動亢進などに顕著な改善効果を示す抗不安薬であり,ストレス負荷期間中1日1回経口投与した。神経活動の変化は神経活性の指標の1つであるc-Fosタンパク質を使用した。
SARTストレスマウスでは, PVN,DMHおよびRPaの神経活動は非ストレスマウスに比べ有意に低下していたが,CORTはいずれのマウスにおいても変化が認められなかった。また,PVNにおいてはCRF作動性神経の神経活動に有意な低下が認められた。ジアゼパム投与により,これらストレス応答関連3領域PVN,DMHおよびRPaの神経活動は非ストレスマウスでは変化せず,SARTストレスマウスで有意に上昇した。
これらの結果から,ジアゼパムはHPA系やSAM系に関与するPVN,SAM系に関与するDMHおよびRPa におけるSARTストレスによる神経活動の低下を回復させることで,HPA系やSAM系の正常化を促し,SARTストレスによる種々の症状を改善することが示唆された。また,DMHは血圧調節に関与する部位でもあり,SARTストレスによるDMHの神経活動低下は低血圧の一要因となっていることが考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 老化と慢性ストレス状態の脳内ストレス応答関連領域における神経活動2013

    • 著者名/発表者名
      船上仁範,宮本朋佳,飯田拓真,他
    • 学会等名
      第36回日本神経科学大会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      20130620-22
  • [学会発表] 慢性ストレスによるHPA系の機能低下 ―PVNの神経活動とホルモン分泌―2013

    • 著者名/発表者名
      阪井邦正,船上仁範,宮本朋佳,他
    • 学会等名
      第36回日本神経科学大会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      20130620-20130622
  • [学会発表] SARTストレスマウスにおける血清アンチエイジングおよびストレスホルモンの変化 ―コルチコステロンとデヒドロエピアンドロステロン―2013

    • 著者名/発表者名
      阪井邦正,船上仁範,岸本茉希,他
    • 学会等名
      日本薬学会 第133年会(横浜)
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20130327-20130330
  • [学会発表] SARTストレスによる視床下部のc-Fos発現に対するDiazepamの効果2012

    • 著者名/発表者名
      船上仁範,飯田拓真,宮本朋佳,他
    • 学会等名
      第35回日本神経科学大会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      20120918-20120921

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公開日: 2014-07-24  

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