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2012 年度 実施状況報告書

次世代シークエンサーを用いたメタゲノム解析による慢性膵炎の病原体候補の探求

研究課題

研究課題/領域番号 23790764
研究機関東北大学

研究代表者

粂 潔  東北大学, 大学病院, 助教 (30431563)

キーワード膵炎
研究概要

膵炎に関連する遺伝子変異としては、これまでトリプシンとその阻害蛋白が報告されているが、これらの遺伝子異常を認めるのは一部 の患者であり、遺伝子異常により慢性膵炎の病態のすべてを説明することは困難である。一方、感染性膵炎の原因として報告されてい る病原体として、ムンプス、コクサッキー、サイトメガロなどのウイルスや、マイコプラズマ、アスペルギルスなどがある。ムンプス ウイルスは唾液腺および膵外分泌腺への親和性が高く、またコクサッキーB群ウイルスも膵組織への親和性があるとされる。これらの ウイルス感染は主に、一部の稀な急性膵炎症例として報告されており、慢性膵炎との関連については明らかではない。メタゲノムは、さまざまな環境からDNAを一挙に抽出し、その配列をすべて決定することで、そ の環境中に存在する生物のゲノム情報を一挙に得ようというものである。近年市販された次世代シーケンサーは、従来の キャピラリーシークエンサー数百台分のデータ生産量を1台で賄えるとされ、メタゲノム解析への応用が期待される。平成24年度は、 この次世代シーケンサーを用いた遺伝子解析を行い、基本となるゲノム配列のリシークエンスを行った。膵炎症例7例を対象にMISeqを用いて解析を行い、十分量のデータが得られた。ヒトゲノムreference配列へのマップはいずれも99%以上と良好であり、配列同定に問題はないと考えられた。今後は慢性膵炎の手術標本もしくは超音波内視鏡下針生検にて採取し た膵組織を用い、メタゲノム解析を行い、膵炎と関連する病原体候補を同定する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

少量の病原体遺伝子を検出するため、生体側由来の遺伝子情報からの選別が必要であり、遺伝子異常の同定に比べて検出力が担保されておらず、さらに技術的改良が必要である。

今後の研究の推進方策

細胞増殖制御分野の先生方の協力を得ながら研究を推進する。ウイルスなどの病原体候補を検出するための解析ソフトが入手可能となり、これを用いて組織から得られた核酸配列情報から感染性微生物と相同性のあるタグを検出する。

次年度の研究費の使用計画

次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成25年度請求額とあわせ、平成25年度の研究遂行に使用する予定である。

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公開日: 2014-07-24  

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