研究課題
NOD.c3c4マウス、原発性胆汁性肝硬変の患者血清よりRDV法にて未知のウイルス遺伝子の同定を試みる前に、慢性C型肝炎患者血清から、HCVウイルスの遺伝子を同様の方法で検出可能かどうか試みた。Nested PCR法を工夫することで、HCVゲノムの数十塩基1フレームのみ検出されたが、他サンプルの検討に用いるレベルではないと判断した。そのため、次世代シークエンサーを用いて未知のウイルス遺伝子検出可能かどうか試みた。【方法】HCV患者血清を使用。800μlの血清よりMagMAX Viral RNA Isolation Kitを用いて、血清内のtotal RNAを抽出。抽出したtotal RNAを用いて、mRNA-Seq Sample Prep Kitを使用し、ライブラリ作製した。Genome Analyzer IIxを用いて76-mer single-end sequenceを行った。得られたreadからヒトgenome由来のreadを除いたあと、データベースより970株のHCV genomeにmapping解析行った。【成績】970株のmapping解析を行った結果、8583 readsがMD2-2 (DDBJ: accession no.AF165053)にmappingされた。約0.1%のreadがHCVゲノム由来であった。Coverageは99.8%、平均sequencing depthは69.5Xを示した。NS3 (nt 4041-4583)領域では、アミノ酸塩基5カ所のvariantsを認め、K213K/R (18 26%/52 74%)、G237G/S (41 46%/49 54%)、P264P/S/A (20 42%/19 40%/9 19%)、S297S/A (63 81%/15 19%)、A358A/T (20 21%/75 79%)であった。
3: やや遅れている
血清からRDV法で未知のウイルス遺伝子を検出するには、ウイルス由来のゲノムが微量であることや感度の観点から困難。RDA法は手技が煩雑になりやすく微量の検体からの抽出は困難なことより、次世代シークエンサーを用いた方法を施行中なため。
RDV法より次世代シークエンサーを用いるほうが、新規や未知のウイルス遺伝子の検出が可能である。そのため、今後はこちらを使用する方法に変更し、解析していく予定である。
研究費の使用計画は概ね、当初の予定どおりである。
すべて 2012 2011
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)
International Journal of Hepatology
doi:10.1155/2012/649290
Journal of Clinical Microbiology
巻: 50(3) ページ: 857-866
10.1128/JCM.05715-11