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2011 年度 実施状況報告書

胃粘膜上皮における自然免疫応答と分化制御・発癌のクロストークの解明

研究課題

研究課題/領域番号 23790766
研究機関東北大学

研究代表者

浅野 直喜  東北大学, 大学病院, 助教 (20526454)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワードCdx2 / NOD1 / 腸上皮化生
研究概要

胃の腸上皮化生発生にはホメオボックス遺伝子Cdx2の誘導発現が関与していると考えられているが、そのメカニズムに関しては未だ解明されていない。H.pylori感染胃粘膜における腸上皮化生発生にもこのCdx2の誘導発現が関与していると考え、免疫学的な観点から解明しようと試みている。ヒト胃癌上皮細胞株AGS、GCIYおよびマウス正常胃粘膜上皮細胞株GSM06にH.pyloriを感染させることでCdx2の発現が誘導されることが確認できた。このCdx2の弓道発現はCagA陰性H.pyloriの感染では認められなかったことから、H.pylori感染によるCdx2の誘導にはCagAが重要であることが判明した。さらに、EMSA、ルシフェラーゼアッセイによる検討から、このH.pylori感染の際にはNF-κBが活性化していることが確認され、NF-κB阻害剤の存在下ではH.pylori感染によるCdx2の誘導発現は見られないことが判明した。そこで、H.pylori感染においてNF-κB を抑制する役割を持つNOD1が果たす役割を検討したところ、AGSにおいてNOD1をsiRNAでノックダウンし、H.pyloriを感染させるとCdx2がより強く誘導されることが判明した。正常胃粘膜細胞でも同様の現象が見られるか検討するため、NOD1をノックダウンしたGSM06の安定細胞株を作成している最中である。上記in vitroでの研究結果を踏まえ、実際の生体内でのH.pylori感染によるCdx2の誘導発現を検討するためにB6マウスとNOD1ノックアウトマウスにH.pyloriを経口感染させ、現在飼育中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

東日本大震災の影響により、実験室が使用できない期間や使用不能となった機器があった中でも、概ね平成23年度分として予定していた研究計画は遂行できている。NOD1をノックダウンしたGSM06細胞株は現在作成中であり、これを用いたmicroarray解析は次年度に行う予定である。

今後の研究の推進方策

NOD1をノックダウンしたGSM06の安定細胞株を樹立後、H.pylori感染後のRNAを抽出し、microarray解析を行うことで新規腸上皮化生関連遺伝子や胃粘膜萎縮・胃発癌に関連する遺伝子の同定を試みる。H.pyloriを経口感染させ、1年が経過したB6およびNOD1ノックアウトマウスの胃を摘出し、腸上皮化生の発生やCdx2の発現、H.pylori菌量の検討を行う。また、胃粘膜のRNAを抽出し、microarray解析を行い、in vitroの細胞を用いて行ったmicroarray解析の結果と照らし合わせることで、共通して変動の認められた遺伝子を同定する。これら同定された遺伝子に関してはNOD1による発現制御機構をクロマチン免疫沈降法等により解明し、またソフトアガーアッセイやMTTアッセイ等によりその機能解析を試みる。

次年度の研究費の使用計画

東日本大震災の影響により、実験室が使用できなかった期間があり、また使用不能となった機器の代替機が搬入されるまでに時間が掛かったため、平成23年度に購入する予定であった試薬の購入が間に合わず、その分の試薬は平成24年度に購入予定である。平成24年度も抗体、電気泳動試薬、細胞培養液、マウス飼料等を購入していく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] NOD1 suppresses H.pylori induced IM through Cdx22011

    • 著者名/発表者名
      浅野 直喜
    • 学会等名
      Digestive Disease Week 2011
    • 発表場所
      シカゴ、アメリカ合衆国
    • 年月日
      2011年5月9日

URL: 

公開日: 2013-07-10  

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