研究課題
抗腫瘍免疫を向上させる目的で、C型慢性肝疾患患者由来DCの細胞免疫学的特徴を解明し、種々の刺激誘導法の有用性について検討してきた。肝癌患者由来の未刺激DCでは、非感染者と比較し、生細胞率は低下していたが、DCサブセットにおけるCD11c陽性のミエロイドDCの割合、成熟度を示すCD83およびCD86の発現、遊走能に関与するCCR7の発現は増加(p<0.05)、FITC標識されたデキストランを用いた貪食能も高い傾向にあった。肝癌患者由来DCのOK-432添加群では、他群と比較し、CCR7の発現、Th1タイプのサイトカイン産生(IL-12、IFNγ、TNFα、RANTES、IL-1β、VEGF)、リンパ球刺激能が増加していた(p<0.01)。OK-432添加刺激は抗原提示能、免疫賦活作用を著明に向上させたことから,C型関連肝癌患者に適する樹状細胞調整法が示され新たな免疫治療の開発に寄与する可能性があり,この刺激誘導培養法を用いた樹状細胞をラジオ波焼灼療法施行時に経皮的にがん組織へ注入する安全性臨床試験を開始した.2012年1月より,トランスレーショナルセンターのCPC (cell processing center)が稼働し,2012年2月より1年間で14例のラジオ波焼灼療法を施行したC型関連肝癌患者に対して,この誘導培養法を用いた樹状細胞を経皮的にがん組織へ注入する安全性臨床試験を行った.現在投与後の副反応,有害事象,ならびに再発に対する画像診断,免疫誘導能を観察解析中である.
3: やや遅れている
平成24年度に予定していた研究のうち,(2)肝がん再発モデルにおけるケモカイン製剤の前臨床試験(in vivo)は,マウスを用いた研究は開始しているが,観察期間が十分ではなく,解析をまだ開始できていない状況である. (3)肝がん患者を対象とした安全性臨床試験は既に14例施行しており,平成25年も継続していく.
(2)肝がん再発モデルにおけるケモカイン製剤の前臨床試験(in vivo)を進め,抗腫瘍免疫,再発抑制効果の観察,解析を行う. (3)肝がん患者を対象とした安全性臨床試験を継続していく.
肝がん再発モデルにおけるケモカイン製剤の前臨床試験(in vivo)における,抗腫瘍免疫,再生抑制効果の観察ならびに解析目的に主に使用する予定.平成24年度に購入予定であった抗体が,研究の進捗状況の遅れにより購入の必要がなくなったため,未使用額が生じた.
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