研究課題/領域番号 |
23790788
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
栗山 茂 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (90596446)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | マイクロRNA |
研究概要 |
大腸がん患者の糞便を用いたqRT-PCRによるmiRNA発現の解析と、大腸がん診断能の検討を行った。候補としたmiRNAは大腸がんでの発現亢進の関与が報告されているmiR-19a、miR-20a、miR-21、miR-92a、miR-106aについて検討した。 まず各miRNAのqRT-PCRの最適化を行った。 内視鏡的・病理的に診断された大腸進行腺腫(Ad)26例、大腸がん(Ca)138例、健常コントロール(Ct)126例を対象とし、糞便0.5gからmicroRNAを含むRNAを抽出し、TaqMan MicroRNA assayを用いて各miRNAのqRT-PCRを行った。同一便で免疫学的便潜血検査(FIT)法と比較した。各合成miRNAを用いて検量線を作成しコピー数を算定した。糞便中の各マーカーの発現中央値は、miR-19aは2600/11000/6400、miR-20は4900/20000/150000、miR-21は50000/190000/150000、miR-92aは2900/5800/5400、miR-106aは250/610/860(Ct群/Ad群/Ca群)であり、いずれもCt群に比べCa群で有意に高かった(P<0.05).
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の目的は、大腸がんにおける糞便と血清microRNA(miRNA)の発現を解析し、診断への応用を検討するものであるが、大腸がん患者の糞便を用いたmiRNA発現の解析は上記のように進めている。ただし血清に関しての検討はまだ行われておらず、糞便中への発現の関連性、および大腸がん診断への応用に関しては今後の検討課題である。
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今後の研究の推進方策 |
大腸がん患者の糞便、血清中のmicroRNA発現に対してマイクロアレイを用いた発現プロファイルの更なる検討をする。糞便と血清のmicroRNA発現の関連について検討していく。またそれによる大腸がん診断能への有用性についてすすめていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
糞便、血清microRNA解析に対する物品費を主に使用していく。
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