研究概要 |
平成23年度 1. dupA遺伝子のタイピング:dupA遺伝子の有無を確認するため2,500bpのlong dupA、ならびに1,800bpのshort dupAを認識するプライマーを作製しPCRで検出。2. dupA遺伝子陽性例については、dupA配列が現時点で最も長いShi470の配列をもとにシークエンスプライマーを設計し、DNAシークエンスを行うことでdupAの全長の解明。3. dupA下流のvir類似因子(virB8、virB9、virB10、virB11、virD4、virD2)の6つの遺伝子に対し設計したプライマーを使用し、PCRでそれらの遺伝子の有無を確認しtfs3のタイピングを行った。 これらの結果から、dupA陽性の中でもlong dupAが重要であること、さらにその周辺のvir遺伝子群をすべて有し完全型clusterを形成しているものがIV型分泌装置を形成し、病原性に関係していると考えられる。 平成24年度 1. dupAと組織学的胃炎の検討:Update Sydney Systemにより活動度、炎症、菌量、萎縮、腸上皮化生についてデータベースへの入力が完了した。2. 臨床分離ピロリ菌を用いた培養細胞への感染実験:それぞれのdupAタイプを発現する臨床分離株を用い胃上皮細胞株からのIL-8産生能の違いを検討。胃上皮細胞株としてAGS細胞を培養中であり、IL-8産生に最も適した条件の検討中である。3. 抗DupA抗体を用いたDupA蛋白の検討:DupAの合成ペプチドをウサギに接種しウサギ血清中で抗DupA抗体が産生されるかを検討。現在それらの抗体がDupA特異的かを検討中。
|