研究概要 |
AT1R制御により大腸炎の抑制やテルミサルタンによる腫瘍抑制効果がcolitic cancer発生の予防とつながるかをcolitis-associated colon caner動物モデルで検討し,同時にテルミサルタンによるvitroによる炎症性サイトカイン細胞増殖抑制効果についても検討した。 colitis-associated colon caner動物モデルで2%DSSにより優位に腫瘍発生効果がることが判明。その後、AT1Rを阻害するためにAT1R受容体阻害剤であるテルミサルタンを自由飲水によりマウスに摂取させることにより腫瘍発生抑制効果を検討した。9w齢の雄のC57BL/6Jを使用した。AOM(10mg/kg, i.p)をday0に投与して2%DSSを2週目に自由飲水にて投与した。その後4週目からテルミサルタンやDMSOなどの投与を行った。17週目にマウスを安楽死して腫瘍発生抑制効果を判定した。A群 AOM(10mg/kg, i.p)+2%DSS投与 B群 AOM(10mg/kg,i.p)+2%DSS+5mg/kg/dayテルミサルタン投与 C群 AOM(10mg/kg, i.p)+2%DSS+5 mg/kg/dayDMSO投与群 D群 5mh/kg/dayテルミサルタンのみ投与群 評価はマウスの体重変化、腸管長にて腸管炎症の評価と腫瘍発生個数と平均腫瘍径を17w後に評価した。それぞれ、マウスの体重変化や腸管長には差はなかった。A群とB群において、腫瘍の発生個数と平均腫瘍径についてB群でやや個数の低下傾向は認められたが、統計学的な有意差は認められなかった。その後、各種薬剤を注腸投与、また静脈投与方法で追加実験施行したが、同様に腫瘍発生抑制効果に明らかな有意差は見られなかった。 一方で、テルミサルタンのin vitroによる炎症性発癌にかかわるIL-8による腫瘍増殖抑制効果について検討してた。テルミサルタンはAT1Rを介さないHB-EGFにかかわる細胞増殖シグナルを抑制することで炎症性サイトカインによる細胞増殖抑制効果があることが新たに判明した。
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