研究課題/領域番号 |
23790803
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
内藤 格 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30527750)
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キーワード | 自己免疫性膵炎 / IgG4 / 生検診断 |
研究概要 |
平成24年度は自己免疫性膵炎の生検組織におけるIgG4陽性細胞数と血中IgG4値の相関関係につき検討を行った。自己免疫性膵炎の膵臓、胆管、肝臓、胃、十二指腸、十二指腸乳頭、大腸からの生検組織のIgG4陽性細胞数と血中IgG4値については明らかな相関関係を認めなかった。また、同一患者において多臓器での生検検体が可能な症例について、臓器別でのIgG4陽性細胞数についても検討を行っているが、明らかな傾向は認めていない。 さらに、自己免疫性膵炎の比較対象の生検検体に対して、IgG4染色を行い、生検組織でのIgG4陽性形質細胞数につき検討を行った。比較対象ではIgG4陽性細胞を1高視野あたり、10個以上認めることは少ない傾向にあったが、中には多数のIgG4陽性細胞を認める症例を認めた。原因として他の炎症により、IgG4陽性細胞数が増加している可能性が考えられた。このような症例ではIgG4陽性形質細胞だけではなくIgG陽性細胞も多数増えている可能性が考えられる。また最近発表されたIgG4関連疾患包括診断基準の病理学的診断基準の項目にIgG4/IgG陽性細胞比40%以上という項目が取り入れられていること、病理組織学的なIgG4陽性細胞浸潤はIgG4関連疾患に特異的ではないという論文報告も発表されたことからも自己免疫性膵炎およびその対象疾患に対して、IgG染色を行い、その陽性細胞数につき検討を行っているところである。 最終的に自己免疫性膵炎と対象疾患の間で生検のIgG4陽性細胞数、IgG/IgG4比、また両者を比較するのに必要な視野数につき検討を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
自己免疫性膵炎およびその対象疾患に対して、IgG染色を行い、その陽性細胞数につき検討を行っているが、まだ生検組織のIgG陽性細胞数につき計測ができていない。理由としてIgG染色はIgG4染色と比べて、染色が難しく、そのIgG染色の条件設定に少し時間を要し、自己免疫性膵炎およびその対象疾患のIgG陽性細胞数の検討に時間がかかっているところである。
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今後の研究の推進方策 |
自己免疫性膵炎およびその対象疾患に対して、IgG染色を行い、生検組織におけるIgG陽性細胞数を計測し、最終的に自己免疫性膵炎と対象疾患の間で生検のIgG4陽性細胞数、IgG/IgG4比、また両者を比較するのに必要な適切な視野数につき検討を行い、論文を作成する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
IgG染色はIgG4染色と比べて、染色が難しく、そのIgG染色の条件設定に少し時間を要し、自己免疫性膵炎およびその対象疾患のIgG陽性細胞数の検討が遅れているため、本年度にIgG染色関連手技及びデータ解析、論文作成のために使用する予定であった研究費を次年度に使用する予定である。
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