研究課題
平成25年度は自己免疫性膵炎、対象疾患の8臓器の生検組織においてIgG染色を行い、IgG陽性形質細胞数について検討を行った。最終的にIgG4形質細胞数、IgG4/IgG形質細胞数比について、1視野、3視野でそれぞれ比較を行った。IgG4形質細胞数は十二指腸乳頭部からの生検が1、3視野とも8臓器中最多であり、対象より、有意に多数であった。次に①IgG4陽性細胞10個以上、②IgG4/IgG4陽性細胞数比>40%を診断基準としたA法)①/1視野、B法)①/3視野、C法)①+②/3視野、D法)①+②/3視野の4方法における生検診断能につき検討を行った。IgG4陽性形質細胞数から診断を行うA法、B法ではVater乳頭部からの生検の診断感度がA法52%、B法40%と8臓器中、最も高率であった。Vater乳頭部からの生検において、A法における感度は52%で、IgG4関連疾患の病理診断基準であるD法の感度12%と比較し、有意に高率あった(p=0.016)。κ値はA~D法の中で、A法が0.840で最も高値であった。十二指腸乳頭部生検でのA法陽性症例と臨床像について検討を行うと、A法陽性症例では膵頭部腫大(p=0.005)と十二指腸乳頭腫大(p=0.041)を高頻度に認め、IgG4関連硬化性胆管炎を高率に合併した (p=0.030)。自己免疫性膵炎の生検診断において、強拡1視野あたりのIgG4陽性形質細胞数>10個の診断基準を用いた、十二指腸乳頭部からの生検診断は、自己免疫性膵炎の補助診断として有用であると考えられた。
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