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2011 年度 実施状況報告書

脂肪性肝炎の病態形成におけるリピドラフトの役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23790814
研究機関順天堂大学

研究代表者

内山 明  順天堂大学, 医学部, 助教 (60529254)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワードリピドラフト / ネクローシス / 酸化ストレス / 飽和脂肪酸
研究概要

C57BL/6マウスより単離した初代培養肝細胞を用いて実験を行った。飽和脂肪酸であるパルミチン酸(PA;0.66 mM)を培地内に添加し肝細胞内に脂肪沈着をOil Red O染色で可視化し、脂肪沈着の程度をマイクロプレートリーダーを用いて定量した。PA投与群ではコントロール群に比べ、有意に脂肪滴の増加を認めた。肝細胞の酸化ストレス応答性を評価するために、PA前処置後の肝細胞に極少量のt-butylHydroperoxide(t-BuOOH)を添加し、Dichlorofluorescin diacetate(DCF)を用いて酸化ストレスを定量した。propidium iodide (PI)で染色しネクローシスをマイクロプレートリーダーにて経時的に測定した。t-BuOOH単独では酸化ストレスは極少量であったのに対し、PA前処置された肝細胞ではt-BuOOH負荷にて有意に酸化ストレスの増加を認めた。さらにPA前処置群では、t-BuOOH負荷により有意にネクローシスが生じた。PA前処置に伴うリピドラフトの変性を評価するために、リピドラフトの除去剤としてcholesterol oxidase(CHOX)を用い肝細胞膜上コレステロールを除去したところ、PA前処置後にt-BuOOH負荷で生じたネクローシスは、CHOXで前処置することによって減少した。PA負荷により脂肪沈着をきたした肝細胞は、酸化ストレス応答性が亢進し、ネクローシスに至ることが明らかになった。PA負荷+t-BuOOHにより惹起されたネクローシスは、CHOX投与でリピドラフトを除去することにより減少した。遊離脂肪酸負荷によるリピドラフトの変化が、酸化ストレス応答性の増強および細胞死へ関与している可能性を示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

脂肪酸負荷によるリピドラフトの局在の変化を解析中である。

今後の研究の推進方策

脂肪酸負荷によるリピドラフトの変化およびインスリン抵抗性への関与をvivoで評価する。

次年度の研究費の使用計画

パルミチン酸負荷によるリピドラフトへの影響をMPTおよび細胞死シグナルの変化の観点から解析する。インスリン抵抗性モデルマウスにおけるリピドラフトの局在の変化と病態への関与を解析する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 高脂肪・高カロリー食による低酸素誘導ストレス応答性の変化

    • 著者名/発表者名
      今 一義
    • 学会等名
      酸化ストレスと肝研究会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      平成23年11月26日

URL: 

公開日: 2013-07-10  

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